管理会計を導入し、「利益の見える経営」へ
売上は伸びているのに、なぜか利益が残らない。商品は売れているはずなのに、資金繰りには余裕がない。 今回は、そのような悩みを抱えていた製造業のお客様に、管理会計を導入し、 社員全体で利益を意識する経営体制を構築した事例をご紹介します。
売上は増えているのに、利益が残らない
ご相談いただいたのは、複数の商品を製造・販売している中小製造業のお客様です。 営業努力によって売上は年々伸びていましたが、経営者には 「これだけ忙しく働いているのに、思ったほど会社に利益が残らない」という不安がありました。
月次試算表は作成されていましたが、確認しているのは会社全体の売上高や営業利益が中心でした。 どの商品が利益を生み、どの部門でコストがかかっているのかまでは把握できていません。 売上の大きい商品が、必ずしも利益を生んでいるとは限らない状況でした。
また、現場では売上や生産量が重視され、社員の多くは 「いくら売れば、どれだけ会社に利益が残るのか」を具体的に理解していませんでした。 経営者だけが利益を心配し、社員は売上や作業量を追いかけるという、 経営数字と現場の行動がつながっていない状態でした。
税務申告のための会計から、経営判断に使う会計へ
当事務所では、まず決算書や試算表を作るためだけの会計から、 日々の経営判断に活用する「管理会計」への転換をご提案しました。
管理会計とは、税務署や金融機関へ提出するための数字ではなく、 経営者や社員が自社の状況を把握し、次の行動を決めるための会計です。 今回は、商品別・部門別の売上高、変動費、限界利益、固定費などを整理し、 どの商品や事業が会社の利益に貢献しているのかを見える化しました。
その結果、売上高は大きくても、材料費や外注費、運送費などの変動費が多く、 限界利益率が低い商品があることが分かりました。 一方で、売上規模はそれほど大きくなくても、利益率が高く、 会社全体の利益を支えている商品も明らかになりました。
毎月の経営会議で、数字と現場をつなぐ
数字を分析するだけでは、業務改善にはつながりません。 そこで、毎月の経営会議で管理会計の資料を共有し、 経営者、営業担当者、製造責任者が同じ数字を見ながら話し合う仕組みを構築しました。
会議では、単に前月の結果を報告するのではなく、 「なぜ利益率が下がったのか」「どの商品に時間がかかっているのか」 「値上げや仕入先の見直しはできないか」「生産工程に無駄がないか」など、 数字の変化と現場の状況を結び付けて検討しました。
当事務所も会議に参加し、会計数字を分かりやすい言葉に置き換えながら、 課題の整理と改善策の検討を支援しました。 難しい会計用語を並べるのではなく、社員が自分の仕事と利益の関係を理解できる資料づくりを重視しました。
利益率の低い事業を見直し、社員の行動も変化
管理会計を導入したことで、会社は限界利益率の低い商品や取引条件を具体的に把握できるようになりました。 その結果、採算の合わない受注については価格改定を進め、 材料の仕入方法や外注工程、製造ロットの見直しにも着手しました。
また、利益率の高い商品については営業活動を強化し、 限られた人員や設備を、より利益を生みやすい分野へ配分する方針を明確にしました。 売上を増やすことだけではなく、 「どの売上を増やすべきか」という視点で経営判断ができるようになったのです。
社員にも変化が生まれました。 営業担当者は値引きが利益に与える影響を意識し、 製造担当者は材料ロスや作業時間の削減を考えるようになりました。 経営者だけが利益を考えるのではなく、社員一人ひとりが 「自分の行動が会社の利益につながる」という意識を持つようになりました。
数字を見える化することが、業務改善の第一歩
業務改善というと、システムの導入や大規模な組織改革をイメージするかもしれません。 しかし、最初に必要なのは、自社のどこで利益が生まれ、 どこで利益が失われているのかを正しく把握することです。
三尾会計事務所では、決算書や試算表を作成するだけではなく、 商品別・部門別の採算管理、限界利益の分析、月次経営会議の運営支援などを通じて、 経営者と社員が数字を基に改善を進められる仕組みづくりを支援しています。
「売上は伸びているのに利益が残らない」 「どの商品や部門が儲かっているのか分からない」 「社員にも利益を意識して行動してほしい」と感じている場合は、 管理会計の導入が業務改善の有効な第一歩となります。
管理会計・業務改善に関するご相談
三尾会計事務所では、会社ごとの業種、組織体制、会計処理の状況に合わせて、 無理なく継続できる管理会計の仕組みをご提案します。 数字と社員の声を結び付け、利益が残る会社づくりを一緒に進めてまいります。
管理会計の導入や月次経営会議、商品別・部門別採算の見える化について、 まずはお気軽にご相談ください。 業務改善に関するお問い合わせはこちら

