社長と社員が上手にコミュニケーションがとれる技術

会社で社員を集めて会議をするのは、どの会社でもあります。その会議、社長が会議に入ると、社員が聞かれたこと以外に、殆ど発言しないということありませんか?

会社の出来事について、社長と社員が同じテーマで意思疎通する、そんな会議を誰もが想像しますが、現実は社長の演説会になり、出席者はメモを取るだけで自分の意見を述べない会議、そんな会議に出席した人は多いはずです。

また、社長が社員とは別部屋で執務をしており、何かあれば社員が報告に行くようなこと、結構ありますよね。これは物理的に社長と社員の間にバリアがあり、意思疎通したくても、ひと手間かかるような状態なら、後にしようとなります。

中小企業に限らず、どのような組織においても発生している、社長と社員とのコミュニケーション不足の問題を解決する方法を考えていきましょう。

社内コミュニケーションが上手になる方法

社長と社員との間に限らず、人と人とのコミュニケーションを円滑にするには、昔から言われていることに、飲食を共にすることで、腹を割って話ができるというのがあります。

実際、お酒の力を借り、普段なら言えないことを上司に話すことができるなんてことありますよね。

よく言われるコミュニケーションが円滑になるための方法と言われているものは

  • 社員との接触の機会を増やすこと
  • そもそも社員に関心を持つ
  • 立場の違いを理解する
  • 社員に信頼される行動や言動
  • 社員と共通の目標を持つ
  • 苦労をねぎらう

などが言われています。

これらのことは、非常に重要な示唆を含んでおり、実践して損はないことです。

具体的に見ていきましょう

子供のころの友達と数十年ぶりに合っても、昔の記憶がよみがえり、何時間でも話が途切れることがありません。それは、子供のころの共通の体験の基盤を持っているからでしょう。

ところが社内でそのような関係を作ることは、簡単ではないですよね。仕事するために集まっているのであって、友人のような関係にはまずなれません。

したがって、コミュニケーションをとるには、それ相応の努力が必要なのです。

社員との接触の機会を増やすこと

ところが、社長と社員の関係では、そもそも原体験に共通するものが少いですよね。

さらに、年代が異なるとなおさら、そこにギャップが生まれます。そして、なかなか素直にコミュニケーションが取れないということはよく聞きます。

そこで、そのギャップを埋めるべく、社員との接触する回数、共通の体験をすることで、連帯感が生まれ、仕事のことでも、互いに話が進むと言われています。

社員に関心を持つ

恋愛でもそうですが、相手に対して関心があれば、自分の出身地や学校、趣味などを話すでしょう。相手も同じく、それにこたえて自分のことを話すのが普通です。それは、相手に関心があるから自分のことを知ってもらおうとするのであって、興味がなければそのような行動はとりません。

したがって、社員との関係でも、社員のことを知ろうと思い、口に出して聞いてみることです。そうすれば、社員も重い口を少しは開き、会話の糸口が生まれるはずです。

立場の違いを理解する

社長と社員は、給料を払う側もらう側、仕事の指示をする側とされる側というように、明確に立場の違いが生まれます。

つまり、この立場の違いを知ったうえで、社長は社員に対し、仕事の指示をするだけでなく、社員が抱えている課題を同じ目線で聞き出してあげるということが必要になってきます。

社員に信頼される行動や言動

会議になると社長が、社員に理解できない自慢話を延々続けたり、悲観的な会社の将来のことばかり発言するとなると、正直この会社にいる意味を失う社員もでてきます。

社長として、会社の未来を語り、そこに近づくために一緒に何をすればいいかを語ってくれれば、少しは社長に対する信頼も向上します。

社員と共通の目標を持つ

社長の目標と社員の目標の決定的な違いは、社長は会社の儲けや成長であるのに対し、社員は給料などの報酬です。

しかし、社員の給料が増えるためには、会社がより多くの利益を出し、それを使ってより成長することが必要です。そのことを、如何に社員に理解してもらうか、ここが重要な点です。

苦労をねぎらう

誰でも、仕事を終えたとき「ご苦労さまでした」「お疲れ様」と言われて、気分の悪くなる人はいません。社員がやった仕事に、多少なりともねぎらいの言葉をかけるというのは、コミュニケーションを良好にするための基本です。

このように、社長と社員という雇用関係にある人同士も、互いを尊重し、人としての基本的な行動を行うことは、社員とのコミュニケーションを円滑に行うには必須であるのです。

会社におけるコミュニケーションで忘れてはいけないこと

以上のような、コミュニケーションをうまくとるための方法は理解できたとしても、会社は家庭と違い、利益を追い求め、会社を成長させるために、社員全員がタッグを組んで前進し続ける必要があります。

会社でコミュニケーションをとると言っても、会社は友達の集まりではないため、何を伝達・連絡すればいいのか、実はこれを決めていないことが多いのです。

「今日の昼めし何にする?」「今度の新人使えないな」、なんて私的なことや感想を言い合うのも大切なコミュニケーションです。しかし、会社の中で何をコミュニケーションするのかを明確に決めておく必要があります。

社内コミュニケーションの対象を決める

大まかに、社内で意思疎通の対象となるのは次の3つと言えます。

  • 数字
  • 仕事のプロセス
  • 意思決定のプロセ

社員同士の社内での会話の大半は、この三つが対象です。会社では社長と社員、部署内の社員同士、それぞれの部署間で、これらのことで、議論され決定がなされていくのです。

つまり、これらが意思疎通されていないと、納期遅れや品質不良、返品など会社の利益を失うことになりかねません。

数字が話のネタになる

会社は成長し続け、社員の報酬を上げていくために、各種の数字と格闘しなければなりません。

今期の売上目標は10億円、営業利益目標は5千万円というように、どのようにその数字を達成するかを、社員がそれぞれの部署で話し合いながら、達成に向かいます。

仕事のプロセス

仕事の手順をどうするか、誰が担当し、外注先はどこにするかなど決めなければなりません。

そして、仕事を完成させるために、どのようなプロセスで進めていくかの話し合いも重要です。

日々の仕事の中でこのプロセスについての意思疎通は、数字と合わせて、社内込みにケーションの対象で最も重要なことなのです。

意思決定のプロセス

数字もプロセスも共通認識ができたとしても、組織にはする社員に誰がどのように解決するか、ルールを作りこれも社内で意思疎通の対象になります。

社内の空気をよくする

そのうえで、福利厚生を充実し、休暇を取り易すく残業の少ない勤務シフトをくむなど、生活を充実させられるような働き方を目指すことです。

そうすれば、社員の心にも余裕があ生まれ、社内の雰囲気も良くなります。

そのことが結果として、社内のコミュニケーションを良好にすることに繋がるのです。

共通の言語、言葉の定義を決める

社内コミュニケーションで忘れてならないのは、社内の共通の言葉の定義を明確にしておくことです。

例えば、同一の商品にもかかわらず、購買課長が使う商品名と営業マンの商品名が異なると、混乱が生じます。

それ以外にも、業界の慣用句がを知る人と知らない人で意思疎通が取れないということは多々あります。

つまり、会社全体で共通の言葉が新入社員でも理解できるようになっていることが重要なのです。

共通の言葉の定義を決めることは、社内コミュニケ―ションを円滑にするための環境整備に欠かせないものです。

コミュニケーションをする場と、何を決めるかを決める

最後に、幾らコミュニケーションの対象が明確になり、言葉の定義が浸透したとしても、社長を含めた社員同士のコミュニケーションの場が必要です。

特に、誰がその場を取り仕切り、誰が何時集合し、テーマは何で、決めるべきものは何かが切です。

また、決まったことを社内で共有する仕組みも必要で、その結果をどう仕事に反映させていくかという、会社を成長させていく根幹となる話なのです。

組織活性はプロに相談しよう

ここまで、社員とのコミュニケーションのポイントと、具体的な方法について解説しました。しかし、日々の社長業をこなしながら、細かいコミュニケーションを実践することに苦労を感じる方もいるかもしれません。

社長業をこなしながらも、社員と円滑にコミュニケーションをとって、社内を活性化させたい。そう考えている方は、組織活性のプロに相談するのもひとつの手です。

本記事を執筆している三尾会計事務所では、経営面、税制面など様々な視点で貴社の状況に合わせた的確な方法をアドバイスしています。これまでも、独自の社内アンケートシステムを開発し、クライアントの売上アップや生産性向上を実現しており、組織活性を得意としている会計事務所です。初回のご相談は無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。