親子間のトラブル!事業継承を親子でする場合のトラブルの原因と未然に防ぐ方法とは?
事業継承を誰にするかで、まず子どもを挙げる経営者は多いでしょう。親子だからといって、トラブルなく継承できる会社ばかりではありません。
なかには子どもが事業継承を拒否したり経営について知識がなかったり、スムーズに事業継承ができないこともあります。
そこでこの記事では、事業継承を親子間でする場合のトラブルと解決方法を解説します。経営を子どもに引き継ぎたい社長は、ぜひ参考にしてください。
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事業継承を親子でするときに起きやすいトラブル
事業継承を親子で行う場合には、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。親子関係においては、感情的な要素やコミュニケーションの課題が絡んでくるため、問題が生じることも少なくありません。
事業継承を子どもが拒否する
子どもが事業継承を拒否する場合には、以下の詳細な要因が考えられます。
まず、子どもが将来に他の道を選びたいと思うことが挙げられます。子供は自分の興味や才能に基づいて将来のキャリアパスを選択したいと考えることがあります。事業継承は大きな責任を伴い、時間や労力を要するため、子供が将来の夢や目標を実現するために他の道を選びたいと思うことがあります。彼らは自己実現や成長を追求したいという意欲を持っているかもしれません。
さらに、リスクや責任を恐れる場合もあります。事業の経営には不確実性やリスクが伴います。子供が将来の不確実性やリスクを恐れ、安定性や安心感を求める場合、事業継承を拒否する可能性があります。また、事業の責任やプレッシャーに対する不安や恐怖感も、子供が事業継承を拒否する要因となる場合があります。
また、経営のスキルや情熱の欠如も拒否の理由となることがあります。子供自身が経営のスキルや情熱を持っていない場合、事業継承を拒否する傾向があります。経営者としての能力や経験が不足していることを自覚し、自身が事業を継ぐことで成功を収める自信がない場合、子供は事業継承を選択しない可能性があります。
これらの要因により、子供が事業継承を拒否する場合、親子間での対立や摩擦が生じることがあります。親としては、子供の意思や選択を尊重し、十分な対話と理解を通じて解決策を見つける努力をする必要があります。子供が自身の人生の方向性を見つけることや経験を積むことに焦点を当て、共通の目標や価値観を話し合うことが重要です。
相続に関して起こるトラブル
相続に関しては、親の財産や事業の分割などを巡ってトラブルが生じることがあります。兄弟姉妹間での不公平感や相続人の数の違いによる対立、財産評価の問題などが起こり得ます。これらの問題は、事業継承においても深刻な影響を与える可能性があります。
事業継承を親子でするときに起きるトラブルの原因
事業継承において親子間でトラブルが生じる原因はいくつか考えられます。
後継者との間に認識の差がある
後継者と親の間で認識の違いが生じる主な理由は、世代間の価値観の違いです。時代の変化により、世代ごとに異なる考え方が存在します。親が伝統的な経営手法や価値観に固執する一方で、後継者は新しいトレンドや技術を取り入れた経営や持続可能なビジネスモデルに興味を持つことがありますので、将来のビジョンや経営方針に対する認識の差が生じやすくなります。
また、新しいアイデアや戦略の受け入れにも違いがあります。後継者は時代の変化や市場の要求に敏感で、新たなアイデアや戦略を取り入れることに積極的です。一方で、親は長年の経験に基づいて成功した経営手法を重視し、変化に抵抗する場合があります。こうした意見の違いが、ビジネスの進化や成長についての認識の差につながるのです。
そして、役割と責任の違いも大きな要因です。親と後継者は、事業継承において異なる役割と責任を果たすことになります。親は経営者としての責任やリーダーシップを担い、事業の安定性や継続性を重視する一方、後継者は将来の成長やイノベーションに焦点を当てることがありますので、経営方針や目標に対する認識の差が生じるのです。
これらの認識の違いは、事業継承においてコミュニケーションの課題や意見の対立を引き起こす可能性があります。解決するためには、親と後継者が互いの立場や意図を理解し合い、相互の視点を尊重し、建設的な対話を通じて共通のビジョンや目標を策定することが重要です。こうすることで、認識の違いを乗り越えて事業継承を進めることができるのです。
相続の知識がない・少ない
相続に関する法律や手続きについての知識が不足している場合、トラブルが生じる可能性があります。相続税や財産分割のルールを理解せずに進めると、後々に問題が発生することが考えられます。
親子間で事業継承をする際トラブルを起こさない方法
事業継承を親子間でスムーズに行うためには、以下の方法が役立つでしょう。
後継者を早めに見つける
後継者を早めに見つけるためには、以下の詳細なポイントに注意することが重要です。
後継者の資質や意欲を見極める
事業継承を考えている場合、親としては子供の中に後継者としての資質や意欲があるかを見極める必要があります。子供が経営者としてのリーダーシップや責任感、事業への関心を持っているかを観察しましょう。また、将来の計画や目標に対してどのようなビジョンや意欲を持っているかを話し合い、共有することも重要です。
教育や経験の提供
後継者としてのスキルや知識を身につけるためには、教育や経験の提供が欠かせません。親としては、子供が事業の基礎知識や経営スキルを習得できるようにサポートする必要があります。例えば、経営に関する書籍やセミナーに参加させたり、実際の業務に関わらせることで経験を積ませることができます。
メンタリングとキャリア開発
後継者の成長をサポートするために、メンタリングやキャリア開発のプログラムを導入することも効果的です。経験豊富なビジネスパートナーやアドバイザーを紹介し、後継者との個別の指導やアドバイスを提供することで、経営者としてのスキルや自信を高めることができます。
専門家のアドバイスを受ける
後継者の選択や育成においては、専門家のアドバイスを受けることも重要です。経営コンサルタントやビジネスアドバイザーは、事業継承に関する経験や専門知識を持っています。彼らの助言や指導を受けながら、後継者の適性や成長のための戦略を検討しましょう。
時間をかけて育成する
後継者の育成には時間がかかる場合もあります。親と子供が協力し、ビジネスの基礎知識や経営スキルを段階的に学んでいくことが重要です。メンタリングや研修プログラムなどを通じて後継者の成長を支援しましょう。
相続などお金に関することは専門家に相談する
相続に関する問題は複雑な場合がありますので、お金に関することは専門家に相談することをおすすめします。税理士や弁護士などの専門家が適切なアドバイスや手続きをサポートしてくれます。遺言書や相続手続きなどは正確に行うことで、将来のトラブルを防ぐことができます。
不安があるならプロに相談してみよう
事業継承に関して不安や疑問がある場合は、プロに相談してみましょう。コンサルタントや経営者向けのセミナーなどを利用することで、具体的なアドバイスやノウハウを得ることができます。
本記事を執筆している三尾会計事務所では、事業承継の専門家が、経営、税制など様々な視点から的確に後継者問題についてアドバイスしています。初回のご相談は無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
事業継承を親子で行う際には、様々なトラブルが発生する可能性があります。しかし、後継者の早期発見や育成、相続に関する専門家の相談や適切な手続きの実施など、適切な対策を講じることでトラブルを回避できる可能性が高まります。
事業継承には多くのリスクとチャレンジが伴いますが、適切な準備と対策を講じることで成功への道が開けます。親子の絆を大切にしながら、持続可能な事業継承を目指しましょう。