「会社をどう残すか」ではなく、「誰に何を引き継ぐか」を整理した事業承継の事例

この事例から学べること
事業承継というと、持株会社の設立や会社分割、M&Aなどの手法が注目されがちです。
しかし、本当に重要なのは「どの制度を使うか」ではありません。
最初に考えるべきことは、
「会社を誰に、何を、どのような形で引き継ぎたいのか」
という経営者自身の意思です。
本事例では、組織再編や会社分割を検討する前に、経営者の想いを整理することから始めたことで、会社の将来像に合った事業承継の方向性が明確になりました。
1.社長が感じていた課題
運輸サービス業を営む会社から、事業承継についてご相談をいただきました。
会社は長年にわたり安定した経営を続け、十分な内部留保もあり、財務内容も健全でした。
一方で、現社長には親族内の後継者がおらず、
「将来、この会社をどのような形で残すべきか。」
という大きな悩みを抱えていました。
さらに、赤字子会社を2社保有していたことから、
・赤字子会社をどう整理するか
・組織再編をどう進めるか
についても検討されていました。
しかし、組織再編の議論は進んでいる一方で、
「誰が会社を引き継ぐのか」
という最も重要な方向性は決まっていませんでした。
2.本当の課題(三尾会計事務所の診断)
ご相談の入口は、
「赤字子会社をどう整理するか。」
というものでした。
しかし、私たちが診断した本当の課題は、組織再編ではありませんでした。
本当に整理すべきことは、
「社長が、この会社を誰に、どのような形で引き継ぎたいのか。」
という意思を明確にすることでした。
会社には十分な内部留保があり、自社株の評価額も高い状況でした。
そのため、株式をそのまま社員や第三者へ承継する場合、多額の資金が必要になる可能性があります。
つまり、
後継者が決まらなければ、
・株式承継
・会社分割
・事業譲渡
・持株会社
・税務対策
のいずれも最適な方法を判断することができません。
事業承継は制度を選ぶことではなく、
経営者の意思を実現する方法を設計することです。
私たちは、
「会社を残すこと」が目的ではなく、
「会社の価値・社員・取引先との信頼を、誰へ引き継ぐのか」
という視点から、承継全体を考える必要があると判断しました。
3.三尾会計事務所の専門的支援
私たちは、組織再編を急ぐのではなく、まず社長ご自身の考えを整理することをご提案しました。
そのうえで、社員承継の可能性も含め、複数の承継方法を比較しながら検討を進めました。
実施した主な支援は次のとおりです。
- 事業承継方針の整理
- 社長の意思確認プロセスの設計
- 自社株評価に関する考え方の整理
- 株式承継方法の比較検討
- 事業分割・事業譲渡の活用提案
- 赤字子会社を含めた組織再編の方向性整理
- 資産保有会社の将来設計について助言
制度ありきではなく、
「将来どのような会社を残したいのか」
という視点から、承継全体を設計しました。
4.課題が解決した会社の姿
「会社を残す」から、「想いを引き継ぐ」会社へ。
組織再編を急ぐのではなく、まず経営者自身の意思を整理したことで、事業承継の目的が明確になりました。
会社を誰に託すのか。
株式を承継するのか。
事業そのものを引き継ぐのか。
それぞれの選択肢を比較しながら、会社の将来像に合った承継方法を検討できる状態となりました。
組織再編や会社分割は目的ではなく、その目的を実現するための手段として位置付けられるようになりました。
「制度を選ぶ事業承継」から、「未来を設計する事業承継」へ。
これが、この事例で目指した経営完成写真です。
5.三尾会計事務所からのメッセージ
事業承継では、
「持株会社を作る」
「会社を分割する」
「M&Aを行う」
という手法が先に語られることがあります。
しかし、手法だけでは会社の未来は決まりません。
最初に考えるべきことは、
「この会社を誰に、どのような形で引き継ぎたいのか。」
という経営者ご自身の意思です。
私たちは制度を提案する前に、その想いを整理し、ご家族、社員、取引先、そして会社の未来にとって最適な承継方法を一緒に考えています。
このようなお悩みはありませんか?
- 親族に後継者がいない
- 社員承継という選択肢を検討したい
- 赤字子会社を整理したい
- 組織再編を考えている
- 会社分割や事業譲渡を検討している
- 自社株の評価額が高く承継方法に悩んでいる
- M&Aも含めて複数の方法を比較したい
- まず何から考えればよいのか分からない
一つでも当てはまる場合は、制度を選ぶ前に、会社の未来を一緒に整理してみませんか。
まずはお気軽にご相談ください
「何から相談すればよいか分からない。」
そのような段階でもご安心ください。
三尾会計事務所では、経営者の想いを丁寧に整理し、本当の課題を明らかにしたうえで、会社の将来に最適な事業承継をご提案しています。
ご相談は、対面・オンライン(Zoom)・メール・お電話に対応しております。


