起業で決断するべきこと
今まで勤めていた会社からの給料に頼ることなく自立する、また、学校卒業後、就職することなくいきなり事業を始めるという人もいるでしょう。今まで数多くの人が、会社という傘の下から飛び出し、新たな世界にチャレンジしてきました。先のことは分からないけど、夢はある。あなたもそんな一人ではないですか?
もちろん起業は夢いっぱいで、わくわくする気持ちは理解できます。ただ、これからの人生をかける仕事を成功するために、何から手を付ければいいのかを知りましょう。また、何に気を付ければいいのか、理解しておきましょう。
それでは、皆さんが、起業に際し最低限知っておかねばならない、重要なポイントを説明していきます。多くの起業者たちが、過去直面した課題と解決してきたことを知ることは、とても大切なことです。
そして、起業後順調にビジネスを進めてきた人たちの、経験に基づく実務ポイントなど。これらをできるだけ簡単に解説しますので、最後までお読みください。
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起業の決断で忘れてならない5つのポイント
以前創業セミナーの終了後、アンケートに答えていただいたものを検証してみました。
整理すると次のようになります。
- 法人設立か個人事業か
- 会社や事業主が負担する税金
- 事業計画をどう作るか
- 資金繰りをどうするのか
- 販路拡大の方法
これらのことでわかるのは次のようなことです。
会社員から独立してビジネスを始めるときに、取り返しのつかないようなことにならないようにということです。
起業には、自分には何か売る商品やサービスがあるというのが絶対条件です。
開業してから、私は何を売ればいいのか、なんて悠長なことを考えている人はまずいません。
しかし、売るものがあったとしても、それを誰にどう売るのかを分かっていないとまずいですよね。
組織の中にいて、そこを飛び出したとして、それまでまでのようには行きません。
誰も独立や起業した人を支援するするために、誰かに紹介する義務はありません。
また、顧客も同じく買う義務はないのです。
それでも、取りあえず起業してしまうとなると、次のようなことをまず検討して見る必要はあります。
起業における法人設立と個人事業の選択
起業を会社で始めるか、それとも個人事業主として始めるか。決断に迷っている方は多いと思います。
ビジネスとして考えた時、会社で社長と呼ばれる方が、個人事業主より格好はいいですよね。
しかし、会社設立となると色んなコストがかかります。
- 設立費用や、税務署への申告もコストがかかる
- 専門性の高い仕事を属人的な能力をもとに始める法人でなくてもよい
- 社長一人で多額の収入を得たとしてもその収入はあくまで会社の収入ちなる
- 社長個人に勝手に還元することはできない
したがって、現実的には個人事業主からスタートというのが、いろいろなコストの面からも検討すべきです。
起業を個人事業者としてする
よく名刺に「**商店」「**事務所」のように社名が書かれていることを見たことありませんか?
個人の方が事業をしていて、それが会社でもない場合があります。
それは、社名の代わりに、識別するための「屋号」を付け事業をしているのです。
そして個人事業主となる場合、次のことは忘れてはならないことです。
- どのような屋号を付しても税金を払うのは個人事業主
- 個人事業の開業届を個人が税務署に提出する
- 事業に対する税金は所得税・地方税・消費税です
- 消費税は法人と同様の課税がされます
- 事業主は給料を貰うわけではなく、儲かった分を全て自分で使って構いません
- 儲かった翌年は、所得税の前納と個人の住民税で苦しめられる
- 個人事業者として翌年3月に所得税、消費税の税務署に確定申告し納税
- 課税の対象期間は1月1日から12月31日までのみで変更できない
なんか面倒ですね?
起業のために会社設立する
会社設立し、事業を進めるとなると、登記から税務署への申告まで複雑な手続きが必要になります。
申告に関わるコストもバカになりません。
もちろん、今後会社を大きくしていこうと考えるなら、絶対法人設立からスタートですね。
なぜなら個人事業主より資金調達もや投資も得られやすいからです。
したがって、運転資金や設備資金が必要な業種であれば、会社という選択となります。
法人での起業のポイントをまとめてみると次のようになります。
- 株式会社・合同会社・NPOなど、どの形態にしても課税されるのは法人
- 会社事業に対する課税は法人税・地方税・消費税
- 個人事業と異なり経営者は会社から決められた役員報酬を毎月貰うことになります
- 社長の役員報酬から、会社は源泉所得税を天引きしそれを国に納めます
- 課税の対象期間は会社の定款で決められた期間(1年)で選択可能
- NPOの場合は収益事業に対してだけ課税される
それから、会社設立について大切なことがあります。
会社を作る場合、株主から出資を受けることになっています。
多くのケースでは社長が全額の出資をしています。その場合、重要なポイントとして
- 資本金はできるだけ1000万円に近づける
- 設立から複数人の出資者に頼らない
会社の資本金はとても重要で、これから一生を仕事にかけようとする時の掛け金が10万円なんて悲しいですよね。
もちろん、その額は他の人も見ていますから、経営者の事業に対する意気込みが数字に表れてしまいます。
また、業績が好調となると、複数の出資者の存在は後々争いのタネになりかねません。
まずは一人で全額出資と行きたいですね
起業を決断したことで負担する税金
不安は誰にもあるもの
サラリーマンの時、皆さんはどんな税金をどれくらい負担していたのか、まったく分からない人も多いようです。
しかし、事業と税金は切っても切れません。
100万円の利益が出れば、その利益で海外旅行に行こうとか、家の頭金に使おうなんてことも考えますよね。
しかし、会社が100万円の利益をだせば、30万円近くの税金を払わなければなりません。
したがって、出来るだけ多くの経費を使い、税金を圧縮しようと考えるのです。
ですから、何かを買うとからなる領収証を貰い、大切に保管しているのです。
もちろん、できれば税金は払いたくないものです。
しかし、税金を払うようでなければ会社も事業も大きくなれません。
そこで、次に会社を運営していく上で発生する税金の種類と、その基本的な計算方法を見ていきます。
起業では会社も個人事業も税金の考え方は同じ
会社も個人事業主も、売上高からかかった原価と事業を維持するためのコストを差し引きます。
そして残ったのが利益です。
そして、会社の場合は法人税、個人の場合は所得税、それぞれ税率は違いますが、税額計算の考え方は同じです。
また、私たち消費者が小売業やサービス業に支払っている消費税もの支払い対象です。
会社も事業主事務主も、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた残りを、国や地方に納めることになっています。
もちろん、これらの納税は、納税者である皆さんが行うのが原則です。
そして、法律に基づいた多くの書類を作らねばなりません。
会社の登記もそうですが、税金に関わる届出書類の作成など、絶対間違ってはいけない部分というのがあります。
ここは専門家に依頼する方が結局は安上りと言えます。
起業において資金を集めるための事業計画を作る
起業者が金融機関から資金調達するのは困難を伴います。
それは、サラリ-マン時代であれば、毎月確実に給料が入金されていたでしょう。
しかし、起業となると先の見通しが確実であることを証明するのが難しいからです。
そこで、今後の事業の先行きを、社長や事業主がどこまで読めているかを説明する必要が生じます。
そして、今後どのような行動をすることで、借りたお金を確実に返せるかを説明します。
また、投資家に配当や出資の値上がりにこたえられるかを証明しなければならないのです。
もちろん、先のことなど誰も解りはしません。
しかし、その事業の将来を、経営者がどう考えているか、そこが重要なのです。
金融機関に口頭でお願いしても、その内容を記録し、担当者が上司に上げるとなると一苦労なはずです。
したがって、彼らのためにも、事業計画という形あるものを作り、提出することが重要なのです。
日本政策金融公庫の業種別の事業計画書テンプレートが公表されています。これを使ってみるのも一手です。
起業後の資金繰りを安定させる方法
起業して一番しんどいのは、お客さまが来ないこもさることながら、使えるお金が無くなってしてしまうことです。
本来、創業は手元資金を貯め、事業が失敗してもそのお金を諦めれば済むようにスタートするものです。
借金して、宝くじを買う人がいないのと同様、事業が失敗した時に借金だけが残るという悪夢は避けたいものです。
もちろん、手元資金が十分でない場合もあるでしょう。
そうなれば、金融機関からの借入で、運転資金と設備資金を賄うことも必要になってきます。
その場合、金融機関から借りるに際しては事業計画書を用意することです。
金融機関の人でも、事業計画を見れば会社が将来借入金を返済できるのかは、だいたい見当は付きます。
起業後の日々の資金繰り
また、書式はとにかく、日々の資金繰りを管理することはとても重要です。
月末の支払いが終わった残りの預金がマイナスであると予想できるなら、早めの資金手当てをすることも可能です。
その早めの資金手当をするために、毎月の資金繰りを書式に従って作成することを、強くお勧めします。
会社や個人事業主は利益が出ないからではなく、資金が枯渇した時に倒産するのです。
営業コストを掛けずに顧客獲得
創業で多くの人が壁にぶち当たるのが、顧客の獲得、販路の開拓です。
どんなにいい商品やサービスを持っていても、それに気づいてもらわなければ誰も購入することはできません。
いい顧客を確保しろ
そこで、大切になるのが、まずいい顧客を獲得することです。
いい顧客を獲得できないから困っているのに、それはないだろう、とおっしゃるかもしれません。
しかし、獲得したいい顧客に精一杯のサービスを提供すれば、誰かがあなたのことを必ず見ています。
その誰かが営業マンとなり、あなたのことを推薦してくれるのです。
そんないい顧客を出会いがしらにども獲得することが何にもまして重要です。
顧客が集まるところに行け
もちろん、最初にそのいい顧客にどうやって出会うかです。
実はここに至る努力が、地味ではあるものの重要です。
セミナーを開催させてもらう、他社の営業マンのサポートをするなどが重要です。
つまり、営業コストを掛けられれないのですから、いい顧客が集まるところに出向くことです。
さらに、いい顧客を持っている営業マンが成果を上げられるようサポートする。
そして、自分といい顧客との接点を持つ。
このプロセスが、営業コストを掛けずに顧客を開拓する王道です。
相談者の確保
起業という未知な領域を進むのは本当に怖いものです。
何が飛び出してくるか分からない、落とし穴、地雷は沢山ある。
だから、相談できる人の存在は重要です。
成功の法則はありませんが、失敗を避けることは可能です。
一度専門家に相談してみるのも損にはなりません。
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