事業計画を「金融機関へ提出する資料」から「会社の未来を共有する経営ツール」へ転換した事例

この事例から学べること
良い事業計画とは、数字を並べた計画ではありません。社員・取引先・金融機関・後継者が同じ未来を描き、行動につなげられる経営の設計図です。
ご相談内容
A社との取引関係をさらに強固なものにするため、決算書だけでなく事業計画書も提出したいというご相談をいただきました。
相談者が知りたかったのは、単に計画書の書き方ではありません。
「どのような内容にすれば、自社の将来性や今後の方向性を適切に伝えられるのか」
という点でした。
ご相談時の状況
相談企業では、A社との取引関係をさらに発展させるため、自社の収益力や将来性を事業計画として示すことを検討していました。
すでに事業計画の作成には着手していましたが、
- 数字をまとめるだけで十分なのか
- 取引先へどのようなメッセージを伝えるべきか
- 誰が計画を実行するのか
- 将来の事業承継をどのように計画へ組み込むのか
といった点までは整理できていませんでした。
また、将来的には現社長のお子様へ経営を引き継ぐことも予定されており、世代交代を見据えた組織づくりも課題となっていました。
本当の課題
当初のご相談は、
「事業計画書を作成して提出したい」
というものでした。
しかし、本当の課題は、事業計画書そのものを完成させることではありませんでした。
会社全体が同じ方向を向き、その計画を実行できる体制をつくること
が重要でした。
売上や利益の目標だけを並べても、会社の将来性は十分には伝わりません。
重要なのは、
- その数字をどのように実現するのか
- 誰が実行するのか
- なぜその計画を実現できるのか
- 会社がどのような未来を目指しているのか
というストーリーです。
そして事業計画は、金融機関へ提出するためだけのものではありません。
社員、取引先、仕入先、金融機関、そして将来の後継者まで含め、
会社の未来を共有するための経営ツール
として活用できるものだと考えました。
意思決定のために整理したこと
そこで、事業計画を
「提出する資料」から「会社の未来を共有し、実行するための経営計画」へ変える
という視点をご提案しました。
① 数値目標だけでなく「実行方法」を明確にする
売上高や利益目標だけではなく、その目標を達成するために、どの市場へ、どのような商品・サービスを提供し、誰がどの役割を担うのかまで整理します。
計画の数字と日々の行動がつながることで、事業計画は実行可能なものになります。
② 成長戦略を事業計画へ組み込む
今後、事業承継が難しくなる同業代理店との連携や協業も視野に入れ、自社単独の成長だけではなく、周辺企業との関係を含めた成長戦略を検討することをご提案しました。
将来の市場環境を想定しながら、会社としてどこに成長機会を見いだすのかを事業計画へ落とし込んでいきます。
③ 社員が参加して計画をつくる
社長だけが事業計画を作成して社員へ伝えるのではなく、社員も計画策定に参加する方法をご提案しました。
社員が会社の課題や将来像を一緒に考えることで、事業計画は単なる経営者の計画ではなく、
「自分たちが実行する計画」
へ変わっていきます。
④ 事業計画を社外にも発信する
完成した事業計画を社内だけで共有するのではなく、金融機関、主要取引先、A社、同業者などを招いた事業計画発表会を開催することもご提案しました。
会社が目指している未来を社外へ発信することで、取引先や金融機関との関係強化だけでなく、新しい連携や協業のきっかけにもなります。
⑤ 後継者へ少しずつ主導権を移す
将来の事業承継を見据え、現社長のお子様にも事業計画づくりへ参加してもらい、徐々に計画策定の主導権を移していくことを助言しました。
事業承継は、株式や役職を移した日に突然始まるものではありません。
会社の未来を考え、社員や取引先へ伝える役割を少しずつ引き継ぐこと
そのものが、次世代経営者を育てる準備になります。
実施した専門的支援
- 事業計画全体の構成について助言
- 数値目標と具体的な実行方法の整理
- 売上・利益目標と実行体制の関連付け
- 中長期的な成長戦略の検討
- 同業他社との連携・協業可能性の整理
- 社員参加型の事業計画策定を提案
- 事業計画発表会の開催方法について助言
- 将来の後継者への権限移譲について助言
結果
相談者は、事業計画は金融機関や取引先へ提出するためだけの資料ではなく、
会社全体が同じ方向へ進むための経営ツール
であることを理解されました。
今後は、数値計画だけでなく、その実現方法や役割分担まで明確にし、社員も参加する形で事業計画を作り上げていく方向となりました。
また、完成した計画を社外にも発信し、金融機関や主要取引先との関係強化につなげていくことも検討することとなりました。
さらに、将来の世代交代を見据え、現社長から後継者へ事業計画策定の役割を徐々に移し、次世代の経営者として社内外へ存在感を示していく方向性も整理されました。
三尾会計事務所からのメッセージ
多くの会社では、事業計画は金融機関へ提出するために作られています。
しかし、本来の事業計画は、
会社の未来を、社員・取引先・金融機関・後継者と共有するための約束
です。
数字は大切ですが、数字だけでは会社は動きません。
重要なのは、
「私たちは、どんな会社を目指すのか」
という意思を明確にし、その未来へ向かって社員が行動できる仕組みをつくることです。
三尾会計事務所では、事業計画書を作成するだけではなく、社員・後継者・取引先まで巻き込みながら、
実際に会社を動かす「実行される事業計画」
の策定をご支援しています。
このようなお悩みはありませんか?
- 事業計画を作っているが、毎年作るだけになっている
- 金融機関へ提出する数字はあるが、実行方法が明確になっていない
- 社長だけが会社の将来を考えている
- 社員と会社の方向性を共有したい
- 社員にも利益や経営について考えてほしい
- 取引先や金融機関へ会社の将来性を伝えたい
- 事業計画を組織づくりに活用したい
- 後継者へ少しずつ経営を引き継いでいきたい
一つでも当てはまる場合は、数字を作るところからではなく、
「5年後、10年後にどんな会社になりたいのか」
という未来から事業計画を考えてみませんか。
会社の未来を「実行できる事業計画」にしてみませんか?
事業計画を作成することが目的ではありません。
社員・取引先・金融機関・後継者が同じ未来を共有し、実際に行動できる計画にすることが大切です。
三尾会計事務所では、数字だけではなく、成長戦略・組織づくり・事業承継まで含めた
実行される事業計画づくりをご支援します。
対面・オンライン(Zoom)・メール・お電話でご相談いただけます。


