有名企業が実践する業務改善のヒント

会社内の問題点を改善したく、頭を抱えていませんか? 業務改善をしたくても、何から始めたらよいのかわからないという方は少なくありません。

この投稿では、業務改善のヒントやアイデアをご紹介します。「どうしたらいいか分からない!」という方にも、分かりやすく解説します。

また、有名企業が業務改善するために実際に行った例も、併せてご紹介します。成果のでる業務改善する際は、ぜひ参考にしてください。

業務改善とは?

社内の問題点や課題などを解決すること。抱えている問題を解決することで、生産性を高めるだけではなく、社内環境を良くする効果もあります。

安定した質の良い商品やサービスを提供すれば、利益向上にも繋がります。質や提供までのスピードにムラがあると、本来得るはずだった利益も生み出せず、顧客からの信頼も失いかねません。

また、社員が業務内容や会社そのものに不満を持っていれば、モチベーションが低下し離職してしまう可能性もあります。業務改善をすれば、社員もモチベーションも上がり会社の利益向上にも繋がります。

成果に繋がる業務改善3つの特徴

成功する業務改善は、いくつかの特徴を持っています。ここでは、成果に繋がる業務改善の3つの特徴を解説します。業務改善する際の参考にしてください。

それでは、次の項目で詳しく見ていきましょう。

改善すべき目標が明確になっている

業務改善は、何となくやればいいというものではありません。明確な目標を掲げることで、改善効果が見えやすくなります。

目標なく行動した場合、仮に改善できたとしても効果が分かりにくくなってしまいます。特に長期的な計画を立てる場合は、社員のモチベーションを保つためにも改善すべき目標を明確にしておきましょう。

インパクトのある業務から改善している

人は、成功体験を積み上げると自信がつきます。改善効果の小さなものから取り組まず、改善効果のインパクトが大きいものから取り組むことをお勧めします。

小さな成功を積み上げるのも、非常に大事です。しかし、改善効果が大きなものに成功すれば達成感を得られ、「次はもっとこうしよう!」と前向きに業務に取り組むことができます。

計画から実行までのスピードが早い

計画を立ててから実行に移すまでのスピードが早いのも、業務改善の成功に繋がります。じっくり考えてから行動すると、改善までに時間がかかってしまいます。

さっと計画してすぐに取り掛かり、繰り返して精度を上げるPDCAが大事。行動してみなければ、合う方法や問題点は見つかりません。繰り返し行動し、徐々に業務改善していきましょう。

業務改善の参考になるヒントやアイデア7選

業務改善といっても、何から手を付けたらよいのか悩みますよね。ここでは、業務改善する際に参考にしたいヒントやアイデアを7つご紹介します。すべて導入しても良いですし、出来るものから実行してみてください。

それでは、次の項目で詳しく解説します。

1.業務を可視化する

現在行っている業務を書き出してみましょう。まずは、大まかに業務を書き出していきます。その次に、個人レベルで行っている細かい業務も書き出して可視化します。

可視化することでだれがどんな業務を担当しているのか明確にし、業務改善するための下準備をします。また、この時点で無駄な作業を見つけることもできます。

2.業務の優先順位を明確にする

優先順位は、改善の難易度と効果から判断していきます。問題点に対し何から始めなければならないのか、効果が大きいものから優先順位をつけていきます。

業務の優先順位をつけることで、効率よく改善できます。無駄を省くための改善ですから、やみくもに行動するのではなくあらかじめ業務に順位をつけましょう。

3.無駄な業務を切り捨てる

優先順位が低い業務が、果たして必要なのかどうかを判断します。業務を可視化することで、必要のない業務を行っていたことが判明するでしょう。

見つけた無駄な業務はどんどん切り捨てて、本当に必要な業務に集中できるようにします。無駄な業務を切り捨てれば、作業効率もアップし商品やサービスの提供がスムーズになります。

4.業務マニュアルを作成・整理する

業務の優先順位を決め無駄な業務を切り捨てたら、業務マニュアルを作成・整理しましょう。質の良い業務マニュアルがあると、誰でもその仕事をすることができ便利です。

業務マニュアルは、誰が見てもわかるように作成するのが大切です。新人でも理解できるように、丁寧に業務マニュアルを作成・整理してください。

5.業務を自動化させる

自動化できる業務は、ITツールを利用しましょう。今まで手動でやっていた業務も、自動化させれば時間の短縮に繋がります。例えば、経費の精算やメール機能など、作業量が多く人手を圧迫している業務に導入するとよいでしょう。

業務を自動化できれば、空いた時間で別の業務を行えます。会社に合ったITツールを選択してください。

6.業務の役割分担をする

業務内容によっては、一人でできるものとそうでないものがあるでしょう。作業量の多い業務は、複数人で役割分担をしましょう。その際、各社員の得意分野に合わせて割り振ると効果を発揮します。

得意なことなら作業スピードも早いし、質の高いものを作ることができます。一人で行っていた業務も、必要に応じて役割分担をして作業効率を上げていきましょう。

7.業務の進捗状況を共有する

各々が自分の業務を遂行するだけではなく、定期的に進捗状況を共有しましょう。進捗状況を共有することで、どの業務に遅れが出ているのか明確にできます。

手の空いている社員が手伝うことができ、チームとして仕事を進めることができます。また、何か問題が起きた時に柔軟に対応できるようになります。

有名企業が取り組み成果があった業務改善事例3選

ここからは、有名企業が実際に取り組み成果があった業務改善事例を3つご紹介します。有名企業であれば、非常に多くの従業員を抱えています。

従業員をまとめ業務改善させた事例は、参考になる部分があるはずです。ぜひ、業務改善のヒントにお役立てください。

Yahoo!の業務改善事例 情報やナレッジを共有するツールを導入

7000人を超える従業員が使う情報共有ツール「Confluence(コンフルエンス)」。一日に15,000回もの投稿がなされ、会議の議事録から社内広報、近隣の美味しいレストラン情報など多岐にわたります。10年以上使われており、「もはや水のような存在」なんだとか。

しかし、こういったツールを導入すると使いこなせないメンバーも出てきます。Confluenceは初心者にも分かりやすいように、使い方講座を開催。基本的な機能から間違いやすいポイントまで説明しています。

また、Confluence内の検索機能を使えば、過去に行った方法を見つけることができます。

ロイヤルホールディングスの業務改善事例 ペーパーレス化を徹底

ロイヤルホストやてんやなど、全国に約350店舗を展開しているロイヤルホールディングス。衛生管理や品質管理で用いていた紙帳票を取りやめ、現場改善システム「カミナシ」を導入しました。

カミナシは現場の業務を電子化するシステム。手書き情報や集計、報告など、今まで紙で行っていた作業をノーコードでアプリ化することができます。カミナシを使うことで、データをリアルタイムに確認でき正しい作業を徹底することができました。

また、ファイリングをする必要がなくなり紙帳票の削減に成功。ボールペンやファイルをキッチンに持ち込むことがなくなり、衛生的レベルも向上しました。

大和物流の業務改善事例 RPAの導入

大和物流株式会社では、現場の声を反映し見える化させるため、RPAを導入しました。目標売り上げ達成と業務負担軽減が課題であった大和物流は、数々のRPAの中からWinActorを選びました。

特徴的なのはWinActorを擬人化したこと。事業所へ派遣することで、費用を見える化させることに成功しました。その結果、年間約900万円の削減効果がありました。

また、作業負担が軽減されたことにより、コア業務に集中できるようになりました。シナリオの作成工程が、業務フローの見直しにもなりました。管理システムの構築で、さらなる効率化を期待しています。

中小企業が社内アンケートを使って業務改善した事例

業務改善を行う上で、様々なITツールを活用することも有効ですが、実はシンプルに社内アンケートを実施するのも効果的です。社員の本音を引き出して成果に直結させる『すごいアンケート』というシステムは、導入した企業の多くから、業務改善の報告がされています。

どのような課題が改善されたのが事例をいくつか見ていきましょう。中小企業は大企業のような管理システムが構築されておらず、社員から出されたアンケート結果は、業務改善の宝庫とも言えます。

社員20名の電気工事業のケース

営業方針が明確に定まっていないため、社員の目標があいまいとなっていました。

会社の活動というより、各個人の活動の集合体のような会社でした。

また情報の共有化が図れていないため、誰が何をやっているのか、またどのような状況なのかが把握しきれていない状態だったのです。

この影響により、従業員の意識がバラバラなものとなっていました。

アンケートの実施により大きな変化

私たちが実施したアンケート(アンケート名「CPS」:Company Planning Session)により、社員のリアルな声を集め整理したところ、数多くの改善課題が社員から出されました。

そして、社員から出された現場における課題をもとに、業務の改善チームを立ち上げることになりました。

その結果、現場で何が起こり、どう対処していくべきかを、社員が会議を通じて共有するようになり、アンケート前では考えにくかった、営業・工事・管理が相互に助け合いながら、業務を進められるようになりました。

このアンケートを実施することで、会社がこれほど変わるのかと、正直、私たちも驚きました。

中規模の印刷業のケース

CPSによるアンケート結果から、会社が抱える課題が見えてきました。

現場担当者は精一杯、営業の要望をこなそうとしても、外注先の品質に対する不満、利益の少ない受注など、スムーズに事が進まないいらだちを抱えていることが分かりました。

一方、同じことが営業サイドにも不満が鬱積しており、一体感を持った会社運営の障害になっている様子が浮かび上がりました。

また、製造業において生産管理担当の役目は、営業が確保した仕事を、現場に引き渡す時の司令塔として、利益の最大化を目指すことです。その機能が果たされていないことに社員の不満は極めて大きなものとなっていたのです。

今後、営業、現場、管理、経営が一体となり、顧客の獲得と利益アップに取り組まなければならない時に、現状を放置することはできないということが、経営者にも理解されました。

後日、課題解決のチームが立ち上がり、社員が明らかにした会社の課題を、順次解決することとなったのです。

社員30名 産業用機械の製造販売業

アンケートCPSで、社員が答えた内容から、いくつかの課題が見えてきました。これらの課題を、社員自らがアンケートを通じ明らかにしたのです。

まず営業においては、既存、新規顧客を問わず一定以上の利益率を確保した受注が意識されていないこと。

さらに、営業の受動的活動から、自社製品をさらに積極的に「売る」手法に変革することが必要と認識を持っていること。そして、そのために何が必要かを、社員が考え出しました。

また、安定した受注を確保するために、予算目標、実績の管理と営業責任の明確化をすることも望んでいます。そして、営業部門、製造部門、購買部門を通貫する手続き、仕組み作りが必要であることも認識しています。

つまり、それぞれの部署がその責任、機能を明確にし、経営の意思伝達が可能な体制へ変革することを望んでいるのです。

経営者が指示をしなくても、社員がこれらのことに問題意識を持っていることが分かり、全社で若手社員を中心に、業務改革に向けて、自ら行動に出るようになったのです。

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