社員は会社の問題を知っている|CPSが「言えない課題」を経営改善につなげる仕組み

業務改善のコンサルティングというと、 「専門家が会社を調べ、問題点を見つけ、改善策を提案する仕事」 というイメージがあるかもしれません。

もちろん、改善策を考えることは重要です。

しかし、その前にもっと難しく、 もっと重要な仕事があります。

「この会社では、いったい何が問題になっているのか」を見つけることです。

問題が見つからなければ、 どれほど経験豊富なコンサルタントでも、 適切な解決策を考えることはできません。

CPSとは何か

CPS(カンパニープランニングセッション)は、 社員が日々の仕事の中で気づいている課題や違和感を、 回答者を特定しない形で集め、 経営改善につなげるためのアンケートシステムです。

単に満足度を測るためのアンケートではなく、 社員の自由記述から課題の候補を見つけ、 AIと専門家が整理し、 事実確認を行ったうえで、 社員と一緒に改善策を考えていくところまでを前提としています。

業務改善は「解決」からではなく、「課題発見」から始まります。

そして、この課題発見こそが、業務改善コンサルティングの重要な工程です。

どんなに優秀なコンサルタントでも、最初から会社の問題を知っているわけではない

外部のコンサルタントが会社に入ると、 まず経営者や管理職へのヒアリングを行います。

さらに社員から話を聞き、 帳票や会議資料を確認し、 業務の流れを追い、 数字を調べます。

必要であれば現場まで入り、 「なぜこの作業をしているのか」 「どこで仕事が止まっているのか」 「なぜ同じミスが繰り返されるのか」 と一つずつ確認していきます。

これはすべて、 会社の中にある本当の課題を発見するため です。

経験豊富なコンサルタントであれば、 「おそらくここに問題があるのではないか」 という仮説を立てることはできます。

しかし、それはあくまで仮説です。

毎日その会社で仕事をしている社員が知っている現実には、 簡単にはかないません。

実は、会社の課題を一番よく知っているのは社員かもしれない

社員は毎日の仕事の中で、 経営者からは見えにくい問題を見ています。

  • 同じ情報を何度も入力している
  • 必要な情報が担当者まで届くのが遅い
  • 特定の人しかできない仕事がある
  • 顧客から同じ指摘を繰り返し受けている
  • 部署によって仕事のやり方が違う
  • 会議で決まったことが現場まで伝わらない
  • 利益の出ない仕事を慣習的に続けている
  • 管理職のところで判断が止まっている

経営者から見ると小さな問題に見えるものでも、 毎日積み重なれば、 残業、ミス、顧客離れ、利益率の低下、 社員の疲弊につながります。

つまり、会社の中にはすでに 大量の「経営改善の材料」 が存在しているのです。

本来なら、管理職が日々集めているはずの情報

本来の組織であれば、 現場で問題が起きたときに社員が管理職へ報告し、 管理職が状況を確認し、 必要な改善を指示していくはずです。

小さな問題を日々解決できていれば、 大きな問題になる前に、 会社自身で改善を続けていくことができます。

ところが実際には、そう簡単ではありません。

「言っても変わらない」 「上司に言いにくい」 「忙しくて報告する時間がない」 「自分の担当ではない」 と考え、 現場の問題が日常の中に埋もれていくことがあります。

そして経営者から見ると、 問題が存在していること自体が見えなくなります。

問題がないのではありません。

問題が「経営者まで届いていない」だけなのかもしれません。

社員は問題を知っていても、会議ではなかなか言わない

それなら会議で 「何か問題はありませんか」 と聞けばよいのでしょうか。

実際には、これも簡単ではありません。

社長が会議で 「改善した方がよいところがあれば言ってください」 と尋ねても、 積極的に手を挙げる社員はそれほど多くありません。

特に中小企業では、 社長と社員との距離が近いからこそ、 社員は発言の内容を慎重に考えます。

「こんなことを言ったら社長にどう思われるだろう」
「上司に知られたら仕事がやりにくくならないか」
「自分が言ったと分かったら困る」
「みんな黙っているのに、自分だけ言ってよいのだろうか」

そう考えれば、 本当に重要な問題ほど言いにくくなります。

その結果、 会議では経営者が多く話し、 社員は聞き手になる。

いわば 「社長の独演会」 になってしまうことさえあります。

社員が何も考えていないのではありません。

考えていることを安全に言える場所がないのかもしれません。

CPSは「何を聞くか」の前に、「安全に答えられるか」を設計する

ここに、 アンケートシステムCPS の重要な設計思想があります。

CPSでは、 回答した社員が誰なのかを特定することを目的としません。

回答は自分のパソコンやスマートフォンから行い、 氏名を記入させず、 回答者のメールアドレスなどと回答内容を結びつけない形で実施します。

そしてアンケートを始める前に、 「誰が何を書いたのかを特定するためのものではない」 ことを社員に明確に伝えます。

これは単なるシステム上の工夫ではありません。

経営者や上司の顔色を考えず、 社員が日々の仕事の中で本当に感じていることを、 自分の言葉で書くための環境をつくる。

それがCPSの根本的な考え方です。

匿名を約束するのではなく、匿名を設計する。

安心して発言できる仕組みそのものをつくることが、 率直な回答を得るための出発点です。

安全に発言できると、経営者が知らなかった事実が出てくる

社員が 「自分の回答が特定されない」 と理解したうえで回答すると、 会議では出てこなかった内容が現れることがあります。

それは不思議なことではありません。

社員は毎日その現場にいるからです。

外部のコンサルタントが何日もかけて調査し、 ようやく見つけるようなことを、 社員はすでに知っている場合があります。

CPSは、 その情報を経営者のところまで届けるための道具です。

CPSは「問題を教える」のではなく、社員自身に考えてもらう

CPSでは、 最初から 「この会社にはコミュニケーションの問題があります」 「生産性について問題を書いてください」 と答えを誘導しません。

問題を先に示してしまえば、 社員はその問題について答えるようになります。

それでは、 経営者がまだ気づいていない問題を発見しにくくなります。

問題を教えない。領域だけを示す。

その領域で何が起きているのかを、 社員自身の言葉で考えてもらう。 これがCPSの質問設計です。

自由記述だから、同じ問題の「根」が見えてくる

CPSでは自由記述を重視します。

ある社員は 「報連相が悪い」 と書くかもしれません。

別の社員は 「必要な情報が上から降りてこない」 と書くかもしれません。

さらに別の社員は 「部署間で情報共有ができていない」 と書くかもしれません。

表現は違います。

しかし、それらをまとめて見ると、 「会社の中で情報の流れが滞っている」 という共通した構造が見えてくることがあります。

AIは社員の代わりに考えるのではなく、声を整理する

自由記述の回答が何十人、何百人分も集まれば、 人の目だけで整理するには相当な時間が必要です。

そこでCPSではAIを活用します。

ただし、 AIが社員の代わりに考えるわけではありません。

主役は、 あくまで社員が書いた言葉です。

AIは、 表現の異なる多数の回答を整理し、 共通するテーマや、 その背景にある構造を見つけるために使います。

社員が自分の言葉で課題を書く

CPSで回答を集める

AIと専門家が構造を整理する

経営者・管理職が確認する

社員の回答は「重要な証言」だが、そのまま事実認定はしない

ここでもう一つ、 CPSを業務改善に使ううえで非常に重要なことがあります。

社員から集まった回答は、 現場で何が起きているのかを知るための 非常に重要な証言 です。

しかし、 その回答をそのまま事実として確定し、 すぐ改善活動へ入るべきではありません。

たとえば、 「情報が上から降りてこない」 という回答があったとします。

実際に調べてみると、 会社は情報を発信しているものの、 管理職のところで止まっているのかもしれません。

あるいは、 情報を見る場所が統一されていないため、 社員が気づいていないのかもしれません。

同じ回答でも、 本当の原因は異なります。

社員の声は「結論」ではなく、「事実を発見するための手掛かり」です。

回答内容を帳票、業務フロー、関係者への確認、実際の数字などと照らし合わせ、 事実を確認してから改善活動に入ります。

この確認をせずに改善活動を始めると、 本当の原因とは違うところを直そうとして、 時間や労力を使ってしまう可能性があります。

CPSは、 社員の声を無条件に正しいと判断する仕組みではありません。

社員の声から仮説をつくり、 事実を確認し、 本当に解決すべき課題を確定する。

ここまでが課題発見の工程です。

確認した課題は「時間軸」で整理する

事実確認ができたからといって、 すべての課題を同時に解決する必要はありません。

会社の課題には、 すぐに解決できるものと、 一定の時間をかけて取り組むもの があります。

たとえば、 不要な帳票をやめる、 情報共有の方法を変える、 二重入力を減らす、 会議の進め方を変更するといったことは、 比較的短期間で改善できる場合があります。

一方で、 人員配置、 教育制度、 評価制度、 基幹システム、 組織体制などは、 一定の準備期間が必要です。

すぐ解決できることは、できるだけ早く解決する。

大きな問題から手を付けることだけが改善ではありません。 短期間で改善できる問題を素早く解決することも重要です。

なぜ「すぐ直せる課題」を最優先するのか

すぐに解決できる問題を早く直すことには、 もう一つ大きな意味があります。

CPSに回答した社員が、 「自分たちが書いたことによって、本当に会社が変わった」 と実感できるからです。

アンケートを実施したのに、 半年経っても何も変わらなければ、 社員は 「どうせ書いても変わらない」 と思うようになります。

反対に、 小さな改善でもすぐ実行されれば、 社員は 「会社は本当に声を聞いている」 と感じます。

この体験が、 次回のCPSの回答にも影響します。

より具体的な意見が出るようになり、 やがて 「問題の指摘」から 「改善提案」 へと回答が変化していきます。

大きな課題を解決する前に、今日直せる問題を今日直す。

改善のスピードそのものが、社員からの信頼をつくります。

時間のかかる課題は、改善計画にする

一方で、 短期間では解決できない重要課題もあります。

そうした課題を 「すぐ直せないから」と放置するのではなく、 改善計画として整理します。

誰が担当するのか。

いつまでに何を行うのか。

どの段階で社員に経過を伝えるのか。

こうした工程を明確にして、 時間をかけて進めます。

つまり、CPSで見つかった課題は、 重要度・緊急度・解決までの時間 を考えて整理する必要があります。

CPSは、コンサルタントの代わりではない

ここはCPSを理解していただくうえで重要です。

CPSは道具です。

コンサルタントを不要にする仕組みではありません。

CPSは、 業務改善コンサルティングの最初の工程である 「課題発見」を助ける道具 です。

現場から具体的な課題候補が集まれば、 コンサルタントはゼロから会社の中を探し回るのではなく、 実際に起きていることを起点に仕事を始められます。

つまり、 コンサルティングの時間を 「問題探し」から「問題解決」へ移すことができる のです。

課題を発言した社員と、一緒に解決策を考える

そしてCPSでは、 問題を見つけた社員を 改善活動の外側に置かないことも大切にしています。

たとえば、 「同じ情報を二つのシステムに入力している」 という回答があったとします。

その社員は、 なぜ二重入力になったのか、 どこで困っているのか、 どこを変更すると別の問題が発生するのかを よく知っています。

それなら、 改善策を考えるときにも、 現場を知る社員に参加してもらう方がよいはずです。

外部のコンサルタントが一方的に答えを持ち込むのではなく、 社員と一緒に解決策を考え、 コンサルタントが専門知識、経験、整理の方法を提供する。

そこにコンサルタントの役割があります。

CPSを使った業務改善の流れ

1.社員が日々感じている課題を書く

2.回答者を特定しない環境でCPSに集める

3.AIと専門家が回答を整理する

4.社員の証言が事実かどうかを確認する

5.重要度・緊急度・時間軸で課題を整理する

6.すぐ解決できる問題はすぐ改善する

7.時間のかかる問題は改善計画をつくる

8.現場の社員と一緒に解決策を考える

9.必要なところをコンサルタントが支援する

10.改善後、再びCPSで変化を確認する

なぜCPSでは、同じ問いを繰り返すのか

CPSの基本となる問いは、 毎回大きく変えません。

問いを固定することで、 答えの変化 を見ることができるからです。

初回には 「会社が何を考えているのか分からない」 という声が多かった。

次回には 「方針は分かるようになったが、部署間の連携が弱い」 という声に変わった。

さらに次には 「こうすればもっと良くなる」 という提案が増えてきた。

問いは変わらず、答えは変わる。

同じ問いを繰り返すからこそ、 会社がどの方向へ変化しているのかを見ることができます。

CPSが目指すのは「考える組織」

CPSの目的は、 アンケート結果を作ることではありません。

社員の不満を集めることでもありません。

また、 匿名性を使って 「誰が悪いのか」を探すことでもありません。

何を変えれば会社が良くなるのかを見つけるために、 社員が安心して発言できる環境をつくる。

その声を事実確認し、 優先順位を決め、 社員自身も改善に参加する。

そして改善した後、 再び同じ問いを投げかける。

この循環を続けることで、 社員は 「自分たちの会社をどうすればもっと良くできるか」 を考えるようになります。

これがCPSが目指している 「考える組織」 です。

CPSは「社員が知っている経営課題」を経営者まで届ける道具

会社の問題を一番よく知っているのは、 必ずしも経営者でもコンサルタントでもありません。

毎日顧客と接している社員。

製造現場で働いている社員。

受発注を担当している社員。

経理処理をしている社員。

それぞれが、 会社の違う部分を見ています。

その一人ひとりが持っている情報を、 安全に集め、 整理し、 事実を確認し、 経営者に届け、 実際の改善につなげる。

それがアンケートシステムCPSです。

御社の社員は、経営者がまだ知らない課題を知っているかもしれません。

社員が安全に発言できる環境をつくり、 その声を事実確認し、 経営改善につなげるのがアンケートシステムCPSです。

アンケートシステムCPSについて詳しく見る

課題を見つけ、社員と一緒に解決する

業務改善で大切なのは、 外部の人間が一方的に 「御社の問題はこれです」 と決めることではありません。

社員の声を集める。

事実を確認する。

優先順位を決める。

すぐできる改善はすぐ実行する。

時間のかかる問題は計画を立てる。

経営者、管理職、社員が一緒に解決策を考える。

必要な場面で、 コンサルタントが経験や専門知識を提供する。

そして改善後に、 もう一度社員の声を聞く。

この循環によって、 コンサルティングは 「外から答えを与える仕事」から、 「会社自身が課題を見つけ、解決できるようにする仕事」 へ変わっていきます。

CPSは、 その入口となる道具です。

会社の中に埋もれている課題を、経営改善につなげませんか。

CPSの活用方法や、社員の声を使った業務改善についてご相談いただけます。

今の状況を相談する CPSについて詳しく見る