社員の声を聞く会社は強い|「何か問題はありますか?」では本音は出てこない

社員の声から始める経営改善

経営者が社員に「何か問題はありませんか」と尋ねても、「特にありません」「大丈夫です」で終わってしまうことがあります。しかし、実際に問題がないとは限りません。現場の小さな違和感を安心して伝え、改善へつなげる仕組みが必要です。

この記事の結論

強い会社とは、問題がない会社ではありません。問題が小さいうちに見つかり、社員が安心して話し、経営者と一緒に解決へ動ける会社です。社員アンケートは、その入口になります。

現場には、経営者には見えない情報がある

会社の小さな問題に最初に気づくのは、毎日その仕事をしている社員であることが少なくありません。

同じ作業を何度も繰り返している
特定の人に仕事が集中している
顧客から同じ不満を聞いている
売れる商品と利益が出る商品が違う
部署間の連絡がうまくいかない
昔から続く不要な作業がある

一つひとつは小さく見えても、放置すれば生産性低下、離職、顧客離れ、利益率低下へつながります。経営者が気づいた時点では、すでに問題が大きくなっていることもあります。

経営にとって大切なのは、問題をゼロにすることではなく、問題が小さいうちに気づけることです。

それでも社員は、なぜ問題を言わないのか

社員が問題に気づいているなら、なぜ経営者に伝えないのでしょうか。社員の側にも、言いにくい理由があります。

社員が発言する前に考えていること

  • 言っても、どうせ変わらない
  • 余計なことを言ったと思われたくない
  • 自分の仕事を増やされるかもしれない
  • 上司や同僚を批判したと思われたくない
  • 誰が言ったか分かってしまうのが怖い
  • 自分が言うべきことではないと思う

そして最も大きいのは、「言っても安全だ」と思えないことです。意見を言えば怒られる、否定される、面倒な社員だと思われる。そのような職場で、積極的に問題を指摘する人は多くありません。

問題を報告した人ではなく、問題そのものを見る

前回の記事「『優しい人は仕事ができない』は、本当だろうか」でも触れたように、優しい会社とは何でも許す会社ではありません。

仕事には厳しく、人には優しく。

間違いがあれば直す。数字が悪ければ原因を考える。約束したことは守る。ただし、問題を報告した人を責める必要はありません。「誰が悪いか」ではなく、「なぜ起きたか」「次に起こさないために何を変えるか」を考えます。

経営者が悪い情報を歓迎する姿勢を示せば、社員は少しずつ問題を言いやすくなります。

会議だけでは、本音はなかなか出てこない

経営者が穏やかに接すれば、社員は何でも話してくれるのでしょうか。実際には、それだけでも難しい場合があります。

会議で「自由に意見を言ってください」と促されても、社長や上司、同僚が目の前にいる場所では、本当に言いたいことを口にできない社員もいます。必要なのは経営者の聞く姿勢だけでなく、社員が安心して意見を出せる仕組みです。

社員アンケートを「満足度調査」で終わらせない

社員の声を聞く一つの方法が、社員アンケートです。ただし、「会社に満足していますか」「上司に満足していますか」と聞くだけでは、経営改善につながる具体的な情報が不足します。

本当に知りたいのは、社員が毎日の仕事の中で何を問題だと感じているかです。

満足度を測る質問 経営課題を見つける質問
会社に満足していますか 仕事を進めるうえで困っていることは何ですか
職場環境に満足していますか なくしたほうがよい作業はありますか
上司に満足していますか 部署間でうまくいっていないことは何ですか
仕事に満足していますか 顧客からどのような意見を聞いていますか

アンケートを会社への評価ではなく、経営課題を発見する情報収集として設計すれば、社員の不満を集めるだけの場にはなりません。

社員が感じている課題を、経営改善につなげませんか

社員の声の集め方と、社内課題の整理から一緒に考えます。

今の状況を相談する

大切なのは、アンケートを取った「あと」

社員アンケートで最も大切なのは、アンケートを取ること自体ではありません。その後、会社がどのように動くかです。

回答したのに何も変わらない。結果も知らされない。経営者から反応がない。この状態が続けば、社員は「言っても無駄だ」と学習し、次から答えなくなります。

重要な指摘

「聞いたら、何かが動く」。すぐに解決できない問題でも、結果を共有し、何を優先し、なぜ今は取り組まないのかを説明することが、次の発言につながります。

アンケートシステムCPSは、社員を解決の当事者にする

アンケートシステムCPS(Company Planning Session)では、経営者が社員から問題を聞き、経営者だけで解決するのではありません。その問題を最もよく知る社員にも、解決へ参加してもらいます。

社員は「会社の問題を指摘する人」ではなく、「会社を良くする人」です。「ここがおかしい」という声に対して、「それでは、どうすればよいと思いますか」と問い、必要に応じて経営者や他の社員も一緒に考えます。

CPSで大切にする5つの流れ

① 声を聞く
② 課題を見える化
③ 優先順位を決める
④ 社員と解決する
⑤ 結果を確認する

この流れができると、社員の意識は「会社がやってくれない」から「自分たちで会社を良くする」へ少しずつ変わります。

アンケートシステムCPSについて詳しく見る

人が辞めない会社をつくる前に、人が話せる会社をつくる

人手不足が続く中、給与を上げる、福利厚生を充実させる、採用広告を増やすことは大切です。しかし、その前に「社員が困っていることを安心して話せるか」を確認する必要があります。

社員が何も言わなくなった後で退職すると、会社には突然の出来事に見えます。しかし、その前に小さなサインがあったかもしれません。その声を拾える会社であることは、人材確保を考えるうえでも重要な経営課題です。

まとめ――社員の声は、会社の未来を考える材料になる

経営者だけで会社のすべてを見ることはできません。社員だけでも会社全体を見ることはできません。経営者にしか見えない数字や経営課題と、現場の社員にしか見えない事実を持ち寄ることに意味があります。

社員の声を聞き、課題を見つけ、一緒に考え、一緒に解決する。その積み重ねが、会社を少しずつ強くしていきます。社員アンケートはその入口であり、アンケートを取ること自体ではなく、そこから会社が動き始めることが大切です。

最初に確認したい3つのこと

  • 社員が、問題を言っても安全だと感じているか
  • アンケートが満足度だけでなく、仕事の課題を聞いているか
  • 集めた声を、具体的な行動と結果の共有へつなげているか

社員の声を、会社の改善へ

社員アンケート、組織課題の整理、改善の進め方を、現在の状況から一緒に考えます。