持株会社設立を「借金を増やす仕組み」から「次世代へ資産を承継する仕組み」へ転換した事例

現在の画像に代替テキストがありません。ファイル名: ChatGPT-Image-2026年8月7日-13_26_23-e1786076838897.png

この事例から学べること

「持株会社を設立すれば事業承継は成功する。」

そのように考えられることがありますが、実際には持株会社を作ること自体が目的ではありません。

重要なのは、会社を次の世代へどのような形で引き継ぐのかという視点です。

本事例では、金融機関から提案された「株式買取型」の持株会社スキームをそのまま採用するのではなく、株式移転制度を活用することで、不要な借入や譲渡所得税を回避し、将来の世代まで見据えた事業承継の土台を構築しました。

事業承継は、「今の社長が安心すること」ではなく、「次の世代、その先の世代まで安心して経営できる仕組みを残すこと」が本当の目的であることを示した事例です。


1.社長が感じていた課題

創業から50年以上続く店舗型サービス業を営む会社から、持株会社を活用した事業承継についてご相談をいただきました。

金融機関からは、

「持株会社を設立し、その会社が現在の株主から株式を買い取る方法」

が提案されていました。

一見すると一般的な手法でしたが、

「本当にこの方法が自社にとって最善なのだろうか。」

という疑問をお持ちでした。

会社は長年にわたり地域に根差した経営を続け、現在は創業者の子が100%の株式を保有しています。

将来的には、その株式をさらに次の世代へ引き継ぎたいという考えでした。

しかし、金融機関から提案された方法では、

・持株会社が多額の借入金を負うこと

・株主には譲渡所得税が発生すること

・その借入を将来の後継者が返済し続けること

など、多くの負担が想定されました。

「持株会社を作ること」が目的になってしまい、本来の事業承継の目的が見えなくなっていたのです。


2.本当の課題(三尾会計事務所の診断)

ご相談の入口は、

「持株会社を作りたい。」

というものでした。

しかし、私たちは持株会社を作ること自体が課題ではないと考えました。

本当の課題は、

「どのような仕組みなら、10年後、20年後、その先の世代まで安心して会社を引き継げるのか。」

という点にありました。

金融機関が提案したスキームでは、持株会社は株式を取得するために多額の借入を行います。

その借入は将来の後継者が返済し続けることになります。

また、株式を売却した現株主には譲渡所得税が発生します。

つまり、

現在の世代にも、

次の世代にも、

負担を残す可能性がある設計でした。

私たちは、

「制度が使えるか」ではなく、「会社が将来も発展し続けられるか」

という視点で考えました。

そこで着目したのが株式移転制度です。

株式移転を活用すれば、株式を売却することなく持株会社を設立できるため、

不要な借入を抱える必要がありません。

さらに、譲渡所得税も発生せず、現在の株主構成を維持したままグループ経営へ移行できます。

そして何より重要なのは、

持株会社を「株を持つ会社」ではなく、

「次世代へ会社を引き継ぐための器」

として設計できることでした。

私たちは、子の世代だけではなく、孫の世代まで視野に入れた長期的な事業承継計画を立てることをご提案しました。


3.三尾会計事務所の専門的支援

私たちは、金融機関から提案されたスキームを前提とせず、複数の方法を比較検討しました。

そのうえで、会社にとって最も負担の少ない方法を選択できるよう支援しました。

実施した主な支援は次のとおりです。

・金融機関提案スキームの分析

・株式買取方式と株式移転方式の比較

・持株会社設立方法の設計

・譲渡所得税負担の試算

・借入負担の将来シミュレーション

・株式移転制度の活用提案

・長期的な株式承継計画の策定

・次世代への贈与・相続を見据えた持株会社活用計画

制度ありきではなく、

「未来の会社にとって何が最適か」

という視点で設計を進めました。


4.課題が解決した会社の姿

次の世代へ、借金ではなく未来を引き継ぐ。

持株会社を設立することだけが目的ではなく、

会社を未来へ引き継ぐための基盤として活用する方向性が明確になりました。

不要な借入を抱えることなく、

譲渡所得税の負担も避けながら、

現在の株主構成を維持したまま持株会社を設立する道筋が見えてきました。

さらに、

持株会社を中心に長期的な株式承継を進めることで、

子の世代だけではなく、

その先の世代まで安心して会社を引き継げる環境づくりが始まりました。

「今の事業承継」から「未来の経営基盤づくり」へ。

これが、この事例で実現した経営完成写真です。


5.三尾会計事務所からのメッセージ

事業承継では、

「持株会社を作れば安心」

というものではありません。

その設計を誤れば、

借入や税負担を将来の世代へ残してしまいます。

私たちは制度をそのまま提案するのではなく、

会社、ご家族、社員、そして次の世代まで見据えて、

最も負担が少なく、持続可能な承継方法を一緒に考えています。

事業承継とは、

会社の未来を設計することです。

だからこそ、

今だけではなく、10年後、20年後の会社の姿を描きながら進めることが大切だと考えています。


このようなお悩みはありませんか?

  • 持株会社を作るべきか迷っている
  • 金融機関からHD化を提案されている
  • 株式移転と株式譲渡の違いが分からない
  • 持株会社に借入をさせることに不安がある
  • 子だけでなく孫の代まで見据えた事業承継を考えたい
  • 不要な税負担を避けながら会社を引き継ぎたい
  • 事業承継を総合的に相談できる専門家を探している

一つでも当てはまる場合は、早い段階から承継方法を整理することで、将来の選択肢は大きく広がります。


まずはお気軽にご相談ください

「何から始めればよいか分からない。」

そのような段階でも大丈夫です。

三尾会計事務所では、制度の説明だけではなく、現在の課題を整理し、本当の課題を明らかにしたうえで、会社やご家族にとって最適な事業承継をご提案しています。

ご相談は、対面・オンライン(Zoom)・メール・お電話に対応しております。