社員100人・約1,000件の声から見えた経営課題|若手後継者が知っておきたいアンケートシステムCPS

社長になった。
でも、社員が会社の末端で毎日何をしているのか、本当に分かっているだろうか。

とくに創業者ではない若手の経営後継者にとって、 すでに何十年も動いてきた会社の仕事、人間関係、慣行、暗黙のルールを すべて把握することは簡単ではありません。

決算書を見れば、売上、利益、人件費、在庫、借入金は分かります。

部門長から報告を受ければ、各部署で何が起きているかもある程度は分かります。

しかし、それでも経営者まで届かない情報があります。

社員が、毎日の仕事の中で実際に何を経験しているのか。

どこで利益を失い、どこで仕事が止まり、どこでやり直しが起き、 どこで顧客との約束が守れなくなっているのか。 その事実を最もよく知っているのは、実際にその仕事をしている社員であることがあります。

三尾会計事務所では、こうした現場の情報を経営者まで届け、 経営課題の発見と改善につなげる仕組みとして アンケートシステムCPSを活用しています。

アンケートシステムCPSとは何か

CPSは、単なる社員満足度調査ではありません。

「会社に満足していますか」 「上司との関係はどうですか」 といった感情だけを調べることを目的としているわけではありません。

アンケートシステムCPS

社員が日々の仕事の中で気づいている経営課題を、 回答者を特定しない形で集め、 AIと専門家が整理し、事実確認したうえで改善につなげる仕組みです。

CPSで特に知りたいのは、 社員の感想だけではありません。

社員が仕事の中で、 実際に何を経験しているのかです。

「社員の意見」と「社員が経験している事実」は違う

例えば、

「営業部は仕事ができないと思う」

という回答であれば、これは評価や意見です。

しかし、

「営業の見積もり不備により、どう頑張っても利益の出せない製品単価で受注している」

という回答は違います。

これは、製造現場で働く社員が 実際の仕事の中で経験している事象です。

同じように、

  • 材料が不足して生産が止まっている
  • 品質条件が曖昧なまま量産が始まる
  • 不良原因を解決しないまま同じ不良を繰り返している
  • 営業から必要な情報が降りてこない
  • 導入したシステムが現場で使えない

という回答も、単なる「不満」ではありません。

社員が経験している事実の中に、 経営者が知らない「利益を失う原因」が隠れていることがあります。

約100人の社員から、約1,000件の回答が集まった

ある中小製造業で、100人近い社員を対象にアンケートを実施しました。

そこから集まった回答は、約1,000件に及びました。

もちろん、そのすべてが重大な経営問題というわけではありません。

しかし、全体を読み込み、整理していくと、 利益、売上、品質、納期、顧客との信頼に直結する問題が数多く含まれていました。

ここでは、その中から代表例を紹介します。

社員の一言から、経営課題はここまで見えてくる

まず一つの回答を詳しく見てみます。

1.見積りが甘く、利益の出ない製品を受注している

「営業の見積もり不備により、どう頑張っても利益の出せない製品単価の製品を受注」

「見積もりが甘く、原価を割り込んでいるものが多々あり、製造は苦労している」

社員が経験していること

製造現場がどれだけ努力しても、最初から利益の出ない価格で受注しています。

その先に起こること

原価割れで受注

製造現場の負荷が増える

売上は増える

それでも利益は残らない

経営者が確認したいこと

  • 見積原価はどのように計算されているか
  • 営業担当者によって見積基準が違っていないか
  • 受注後に見積原価と実際原価を比較しているか
  • 赤字案件を誰が承認しているか
  • 価格改定や値上げ交渉の仕組みがあるか

この回答の重要なところは、「営業への不満」が書かれていることではありません。

経営者が知らないところで、利益が失われる仕組みを社員が実際に経験していたことです。

ほかにも、社員はこんな問題を経験していた

同じアンケートでは、ほかにも次のような声がありました。

2.試作品の完成度が低いまま量産開始

「試作品の出来が悪いまま量産開始となる」

「量産開始する際の品質取り交わしが曖昧」

3.営業情報が現場まで届かない

「営業の情報伝達が個人単位で、情報が共有できない」

「営業部から情報がおりてこない」

4.不採算製品を長期間放置

「営業は不採算製品を長期間放置」

「価格の値上げ交渉など積極的に動いていない」

5.生産能力以上の受注

「実際の生産能力以上の受注を受けているような感じが見受けられる」

6.材料不足・外注管理の不備

「外注管理不備により客先納期遅延発生」

「部材や材料不足により生産中止が多々ある」

7.同じ不良を繰り返している

「不良品を大量に作り、問題点を解決せずに繰り返す」

8.生産計画の不備

「生産計画不備により在庫過剰や客先納期遅延が多発」

9.導入したシステムが現場で機能しない

「多額の資金を投入した基幹システムが使いものにならない」

10.人材・教育の仕組みが不足

「技術者不足」

「社員教育の仕組みが確立していない」

これらは「社員の不満一覧」ではありません。

社員が毎日の仕事の中で実際に経験している、 利益・品質・納期・生産性を悪化させる可能性のある事象です。

約1,000件を整理すると、問題は会社全体に広がっていた

一つひとつの回答を見ると、それぞれ別の問題に見えます。

しかし、約1,000件をまとめて整理すると、 社員が経験している問題は特定の部署だけに集中していませんでした。

営業

見積り、価格、受注、情報共有

購買・外注

材料、発注、外注先、納期

製造

生産計画、設備、技術、手戻り

品質

不良、品質基準、再発防止

管理・システム

仕事の流れ、情報、システム

人・組織

教育、技術承継、評価、組織文化

ここから分かるのは、 社員一人ひとりが、それぞれの持ち場で会社の問題に気づいている ということです。

営業社員は顧客とのやり取りの中で問題に気づきます。

製造社員は、材料、不良、段取り、作り直しの中で問題に気づきます。

購買担当者は、仕入先や欠品の問題に気づきます。

若手社員は、教育や仕事の教え方の問題を経験しています。

社員は、それぞれの場所から会社を見ています。

CPSは、その断片的な気づきを集めて整理し、 経営者が「会社全体で何が起きているのか」を見るための仕組みです。

若手後継者にCPSが特に有効な理由

創業者は、自分で会社を作っています。

営業をし、人を採用し、工場を作り、取引先との関係を築いてきたため、 会社の細かい経緯まで知っていることがあります。

しかし、後継者は違います。

会社を引き継いだ時点で、すでに営業部があり、工場があり、購買があり、 品質保証があり、何十人、何百人という社員が働いています。

社長になったからといって、 すべての仕事を知ることはできません。

  • ベテラン社員がどんな技術を持っているのか
  • 営業がどの条件で受注しているのか
  • 現場で毎日どんな手戻りが発生しているのか
  • 誰の判断待ちで仕事が止まっているのか
  • 何年も前から社員が困っていることは何か

後継者が知らないことを、社員は知っています。

必要なのは、経営者が全部知ることではありません。
社員が知っている事実が、経営者まで届く仕組みを持つことです。

これほど重要なことを、なぜ今まで社員は言わなかったのか

こうした回答を見ると、経営者は当然こう感じます。

「そんな重要なことなら、なぜもっと早く言ってくれなかったのか」

しかし、社員側にも理由があります。

以前言ったが変わらなかった

「また言っても無駄」と考えるようになります。

上司を批判することになる

人間関係を悪くしたくないため、黙ります。

他部署との関係が悪くなる

営業や製造を批判したと思われたくありません。

誰が言ったか分かる

回答者が特定される環境では、本当の問題を書きにくくなります。

経営者まで届かない

上司へ伝えても途中で止まり、社長まで届かないことがあります。

自分の仕事ではない

問題に気づいていても、「自分が言うことではない」と考えます。

問題に気づいていないのではありません。
気づいていても、会社に言わなくなっていることがあります。

では、なぜCPSでは率直な声が出るのか

CPSでは、回答者個人を評価することを目的にしません。

また、誰が言ったかを探すのではなく、 「何が起きているのか」 に注目します。

これによって、社員は人を批判するのではなく、 仕事の中で起きていることを書きやすくなります。

CPSで大切にしていること

  • 回答者を特定することを目的にしない
  • 個人批判ではなく、仕事上の事実を見る
  • 一つの回答だけで結論を出さない
  • 複数回答を整理し、共通するテーマを見る
  • 必ず事実確認する
  • 問題を発見した後、改善につなげる

社員の声は「結論」ではない

ここは非常に重要です。

社員から、

「生産計画が悪い」

という回答があったからといって、 本当に生産計画担当者だけに原因があるとは限りません。

原因は、

  • 営業から情報が遅い
  • 材料が入らない
  • 急な受注変更が多い
  • 設備能力が不足している

ことかもしれません。

社員の声は「結論」ではなく、
事実を発見するための手掛かりです。

CPSは、アンケートを取って終わりではない

本当に大切なのは、アンケートの後です。

社員の声を集める

AIと専門家が整理する

共通する課題を分類する

事実確認する

重要度・緊急度・必要時間で整理する

すぐ直せるものは改善する

大きな課題は計画化する

社員自身にも改善に参加してもらう

再度CPSを実施して変化を確認する

CPSには、もう一つ大切な「出口」があります。

課題を発見した後、その課題を実際に経験している社員や管理職にも参加してもらい、 自分たちで解決策を作り、実行し、進捗を確認していくことです。

CPSで見つかった課題は、その後どう解決していくのか

CPSでは、課題を発見して終わりではありません。 その課題を実際に経験している社員や管理職にも参加してもらい、 解決策を作り、実行し、その後の進捗まで確認していきます。

解決策支援セッションの考え方を見る

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大きな問題より先に「今日直せる問題」を直す

約1,000件の声が集まると、すべてを一度に解決することはできません。

そこで、問題を分けます。

すぐ直せる
手順、連絡方法、資料など
少し時間が必要
役割分担、標準化、教育など
長期課題
設備、システム、人材育成など

大きな課題を解決する前に、今日直せる問題を今日直す。

それだけでも社員は、「言えば会社が動く」と感じ始めます。

CPSの目的は「会社の悪いところを探すこと」ではない

CPSを行う目的は、会社や社員を批判することではありません。

むしろ、 社員がすでに気づいている会社の改善可能性を経営に活かすこと です。

数字には結果があります。
社員の声には、その原因を発見する手掛かりがあります。

両方を見ることで、経営者が知らなかった会社の姿が見えてきます。

「社員が何を考えているか」ではなく、
「社員が何を経験しているか」を知ってみませんか。

CPSでは、日々の仕事の中に隠れている経営課題を整理します。

アンケートシステムCPSについて相談する

若手後継者こそ、会社の「知らない部分」を知る仕組みを持つ

後継者が、創業者と同じ経験をすることはできません。

しかし、創業者と同じように会社のすべてを自分で知る必要もありません。

会社にはすでに、その仕事を何年も経験している社員がいます。

その社員たちは、経営者が知らない問題も、改善方法も知っていることがあります。

経営者が知らない会社の姿を、
社員は毎日の仕事の中で見ています。

CPSの役割は、その情報を経営者まで届け、
社員と一緒に会社を改善していくことです。

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今後、CPSの考え方をもとにした「経営者向けチェックリスト」や、 経営・事業承継・相続・業務改善の実務情報をお届けする 「ビジネスガリ版」への導線もご用意する予定です。

経営者には見えていない。でも、社員は知っている。

その情報を経営に活かせれば、 利益、品質、納期、生産性、人材育成など、会社の改善テーマが見えてきます。

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