相続は亡くなってからでは遅い|不動産・納税資金・二次相続を生前に考える理由

相続対策というと、 「どうすれば相続税を安くできるか」 を考えることだと思われがちです。

もちろん、相続税を適正に抑えることは重要です。 しかし、実際の相続では、税金だけを見ていても問題は解決しません。

相続で本当に難しいのは、 「誰に何を残すか」 「その人が相続税をどう払うか」 「さらに次の相続ではどうなるか」 を一緒に考えることです。

亡くなった後でも、相続税申告はできます。

しかし、亡くなった後では選べない対策があります。 だからこそ、相続は生前から考える意味があります。

相続問題の本質は「不動産」にある

相続財産の多くが預金や有価証券などの金融資産であれば、 財産を金額で分けることは比較的容易です。

法定相続割合を基準に分けることもできますし、 相続税の納税資金として使うこともできます。

ところが、不動産が入ると状況は大きく変わります。

不動産は、預金のようには分けられません。

誰が取得するのか。
共有にするのか。
売却するのか。
住み続けるのか。
賃貸を続けるのか。
将来建て替えるのか。

一つの不動産を複数の相続人で共有すれば、 形式的には公平に見えるかもしれません。

しかし、その後の売却、建替え、管理、さらに次の相続まで考えると、 共有が新たな問題を生むこともあります。

不動産を相続しても、税金を払えるとは限らない

相続でもう一つ重要なのが、 納税資金です。

土地や建物を多く相続すれば、 相続財産の評価額は大きくなります。

しかし、不動産そのものでは そのまま相続税を支払うことはできません。

「土地を相続した人に、現金が残っているか」 まで考える必要があります。

不動産の分け方と金融資産の分け方を別々に考えると、 財産は相続できても、税金を払えないということが起こります。

そのため、 「誰にどの不動産を残すか」と同時に、 「その人にどのくらいの現金を残す必要があるか」 まで考える必要があります。

一次相続だけを見ていると、判断を誤ることがある

相続では、 配偶者に多くの財産を取得してもらうことで、 一次相続の税負担を抑えられる場合があります。

自宅を配偶者が相続することも、 生活を守るという意味では重要な選択肢です。

しかし、相続はそこで終わりません。

配偶者が取得した財産は、 将来その配偶者が亡くなったときに、 再び相続財産になります。

「今回の相続税が少ない」ことと、 「家族全体の相続税が少ない」ことは同じではありません。

一次相続だけでなく、二次相続まで含めて 財産の分け方を考える必要があります。

まず「手段」ではなく、「今の状態」を確認する

相続対策を考え始めると、 どうしても手段に目が向きます。

「贈与をした方がよいのか」
「生命保険を使うべきか」
「小規模宅地等の特例は使えるのか」
「遺言を書いた方がよいのか」

どれも重要です。

しかし、先に対策方法を決めるのではなく、 まず現在の財産状況を正確に把握することが大切です。

先に手段を選ばない。

まず「今相続が起きたら何が起こるか」を確認し、 その結果に応じて必要な対策を選びます。

「今日相続が起きたら」を一度シミュレーションする

三尾会計事務所が生前の相続対策で最初に確認したいのは、 現在の財産と家族の状況です。

まず確認したい7つのポイント

① 不動産
何を所有し、現在どのように利用しているか
② 相続税評価額
土地・建物が相続税上いくらになるか
③ 金融資産
預金・有価証券などがいくらあるか
④ 借入金
誰の借入れがどの程度残っているか
⑤ 生命保険
契約内容と受取人はどうなっているか
⑥ 相続人
誰が相続人になるのか
⑦ 財産の分け方
現在のままなら誰が何を取得しそうか

これらを整理したうえで、 「仮に今日相続が発生したらどうなるか」 をシミュレーションします。

相続税だけでなく、「相続後の資金繰り」まで予測する

相続税額が分かったら、 次に考えるのは「その税金を実際に払えるか」です。

相続後の資金繰りで確認すること

誰が相続税を払うのか。
その人に十分な現金があるのか。
不動産を売却する必要があるのか。
売却するなら、どの土地を売るのか。
建替えが必要なら、その資金をどう準備するのか。

こうしたことを生前に検討しておけば、 相続発生後に慌てて不動産を売却する可能性を減らすことができます。

「今相続が起きたらどうなるか」を、一度確認してみませんか。

不動産の評価、財産の分け方、納税資金、 一次相続・二次相続まで現在の状況から整理します。

生前の相続対策を相談する

問題が見えれば、生前だからできる対策が見えてくる

実際に、生前から不動産の承継を考えた事例があります。

賃貸不動産を将来長男へ引き継ぐことを前提に、 不動産、借入金、収益、相続税を一体で考えた事例をご紹介しています。

生前の相続対策の解決事例を見る

現状を把握し、 将来起こり得る問題が見えてくれば、 初めて具体的な対策を考えることができます。

財産の分け方を整える

不動産の共有を避ける、誰がどの財産を取得するかを整理する。

納税資金を準備する

金融資産を残す、生命保険を活用する、必要に応じて売却を検討する。

不動産を整理する

不要な不動産の売却、借地・底地の整理、将来の建替えなどを検討する。

財産を次世代へ移す

贈与などを含め、時間を使って財産承継の方法を検討する。

本人の意思を残す

遺言を作成し、誰に何を残すのかを具体的にしておく。

二次相続まで考える

一次相続だけでなく、その次に財産がどう移るかまで確認する。

これらを一つずつバラバラに行うのではなく、 将来の相続全体を見ながら組み合わせる ことが重要です。

相続対策で最も大きな資産は「時間」

生前対策には時間が必要です。

不動産を整理するにも、 家族と話し合うにも、 財産を移すにも時間がかかります。

遺言についても、 財産状況や家族構成が変われば見直す必要があります。

相続対策で最も大きな資産は「時間」かもしれません。

亡くなった後では選べない方法も、 生前であれば検討できる可能性があります。

だから、会計事務所と生前から付き合う意味がある

相続が発生してから初めて税理士へ相談すれば、 その時点で残された選択肢の中から最善策を探すことになります。

一方、生前から財産状況を確認していれば、 将来起こる問題を先回りして考えることができます。

生前から行う相続対策の流れ

現在の財産を把握する

現在の相続税額を試算する

誰が何を相続するかを想定する

納税資金が足りるか確認する

二次相続まで試算する

問題を見つける

時間を使って対策する

相続対策とは、 その場限りの節税策を選ぶことではありません。

現状を正確に把握し、 亡くなったときに何が起こるかを予測し、 家族が困らないよう時間をかけて準備すること。

それが、三尾会計事務所が考える生前からの相続対策です。

遺言は、その対策を実現するための大切な手段

どれだけ相続対策を考えても、 亡くなった後に本人の考えが実現されなければ意味がありません。

誰にどの不動産を残すのか。

誰に納税資金を残すのか。

家族へ何を伝えておくのか。

これを具体的な形にする手段の一つが 遺言です。

遺言は「書けば終わり」ではありません。

亡くなった後に、 不動産の名義変更、預金の解約、財産の引渡しなどを 実際に進める遺言執行まで考えておくことが重要です。

遺言と遺言執行については、 別の記事で詳しく解説します。

不動産を持つ方ほど、相続が起きる前に一度確認しておく

相続がいつ起こるかを、 正確に予測することはできません。

だからこそ、 「まだ元気だから大丈夫」ではなく、 元気なうちに一度現在地を確認しておくことが重要です。

相続税はいくらになりそうか。
誰が不動産を相続するのか。
その人は相続税を払えるのか。
配偶者が相続した後、二次相続ではどうなるのか。
家族が争う可能性はないか。

これらを一度確認するだけでも、 今から準備すべきことが見えてきます。

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「今相続が起きたらどうなるか」を、一度確認してみませんか。

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