優しい人から始めるCPS|社員アンケートを会社の力に変える

優しい人が集まれば、それだけで良い会社になるのでしょうか。
私は、それだけでは十分ではないと思っています。
前回のブログ 「『優しい人は仕事ができない』は、本当だろうか」 で、私はこれから一緒に働くなら、「優しい人」がいいと書きました。
ただし、ここでいう「優しい人」とは、何をしても許してくれる人でも、 人に厳しいことを言えない人でもありません。
優しい人とは、人を尊重しながら、問題にはきちんと向き合える人。
人の話を聞く。相手を頭から否定しない。失敗した人を責めるのではなく、 「なぜ起きたのだろう」と一緒に考える。そして必要なことは、きちんと伝える。
私は、そんな人が増える会社は強くなると思っています。 しかし、もう一つ必要なものがあります。
それは、その人たちが気づいたことを、会社に伝えられる仕組みです。
優しい人ほど、実は何も言わなくなることがある
少し意外に思われるかもしれません。会社のことをよく考え、 周囲にも配慮できる優しい社員ほど、問題に気づいても言わなくなってしまうことがあります。
例えば、こんなことを考えます。
- 上司の気分を悪くしたくない
- 同僚を批判したと思われたくない
- 自分だけ不満を言っているように見られたくない
- 誰かを傷つけたくない
- 言っても仕方がないかもしれない
- 自分が我慢すれば済む
これは、決して無責任だからではありません。むしろ周囲を考えるからこそ、黙ってしまうことがあります。
「優しい社員がいる」ことと、「社員の声が経営者に届く」ことは、同じではありません。
ところが、その社員は会社の問題に気づいている
経営者には見えていなくても、毎日その仕事をしている社員には見えていることがあります。
- この作業は二重になっている
- この商品は返品が多い
- このお客様から最近同じ苦情を聞く
- 材料をかなり捨てている
- 一人の社員に仕事が集中している
- この会議はほとんど意味がない
- 営業と製造の連絡がうまくいっていない
- 忙しいのに、なぜか利益が残らない
こうした一つひとつの情報は、決算書には直接書かれていません。 しかし、その積み重ねが会社の数字を作っています。
三尾会計事務所の 業務改善 では、「数字には結果があり、社員の声にはその原因がある」という考え方を大切にしています。
「何か問題はありますか?」では出てこない
そこで経営者が社員を集めて、「何か問題はありませんか?」「自由に意見を言ってください」と言ったとします。
しかし、これだけで社員の本音が出てくるでしょうか。 社長が目の前にいる。上司もいる。同僚もいる。 その場で「このやり方はおかしいと思います」と発言するのは、簡単なことではありません。
「意見を言っていい」と伝えることと、「本当に意見を言える」ことの間には、大きな差があります。
だから、まずアンケートで聞いてみる
そこで一つの方法になるのが、社員アンケートです。 ただし、私たちが考えているアンケートは、単なる社員満足度調査ではありません。
本当に聞きたいのは、こちらです。
- 仕事をしていて、どこに無駄を感じるか
- お客様は何に困っているか
- 利益を失っていると思う仕事はないか
- 改善した方がよい仕事は何か
- 部署間でうまくいっていないことはないか
- 会社が今後取り組んだ方がよいことは何か
社員が毎日の仕事の中で気づいている「会社を良くするための情報」を集めるのです。
CPSとは何か
ここで登場するのが、CPS(Company Planning Session/カンパニー・プランニング・セッション)です。
CPSについて詳しく知りたい方は、 「CPS(カンパニー・プランニング・セッション)」 をご覧ください。
CPSを簡単に言えば
社員が気づいている現場の課題をアンケートで集め、
その中から会社として解決する課題を決め、
社員自身にもその解決に参加してもらう仕組みです。
つまり、アンケートを取って終わりではありません。
アンケートで一番大切なのは、「取ったあと」
社員アンケートには、一つ大きな注意点があります。アンケートを取ったのに、その後何も起こらないことです。
社員からすると、こうなります。
アンケートに答えた。
しかし結果を知らされない。
会社も何もしない。
半年後、また同じアンケートが来る。
これを繰り返せば、「どうせ言っても変わらない」となります。
アンケートで大切なのは、「聞くこと」ではありません。聞いたあと、会社が動くことです。
問題を出した社員を、問題解決に参加させる
CPSでは、ここからもう一歩進みます。社員が出した問題を、経営者やコンサルタントだけで解決するのではありません。 その問題を実際によく知っている社員にも、解決に参加してもらいます。
CPSの基本的な流れ
- 社員の声を集める
- 問題を整理する
- 優先する課題を決める
- 解決方法を考える
- 社員自身が行動する
- 結果を数字で確認する
- 次の改善につなげる
実際に、社員の声から会社の課題が見えてきた事例があります。
社員アンケートを行うと、経営者だけでは気づかなかった 現場の問題が見えてくることがあります。 その声をどのように整理し、改善につなげていったのかをご紹介しています。
優しい人だからこそ、会社を良くできる
優しい人だからこそ、会社を良くできる
なぜCPSと「優しい人」がつながるのでしょうか。 私は、優しい人には大きな特徴があると思っています。
- 周囲の困りごとに気づく
- 人の話を聞く
- 自分だけ良ければよいとは考えない
- 誰かが困っていれば助けようとする
- チーム全体がうまくいくことを考える
これは、会社を改善するときに非常に大きな力になります。 一方で、その優しさのために、問題を胸の中にしまってしまうこともあります。 だから会社側が、安心して声を出せる仕組みを用意する必要があります。
社員は「会社を評価する人」ではなく、「会社をつくる人」
社員は会社を評価する人ではなく、会社を一緒につくる人だと思うからです。
経営者だけに見えていることがあります。社員だけに見えていることもあります。 それを持ち寄って、何を変えれば会社がもっと良くなるかを一緒に考える。 これがCPSの原点です。


